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特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇一四 転入の予定

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報告書② 相談票

 二通目は、当該の票の写しである。

 表に十行、裏に十行。


――――――――――――――――


 相談者 ██(氏名の記載あり)


 住所 ██町(██市に隣接)


 相談の方法 窓口


 前号 (空欄)


 完結 (空欄)


 一行目 十三年前 十月 転入の手続きについて 継続


 二行目 同年 十二月 転入の手続きについて 継続

 (三行目から十九行目まで、十七行いずれも同じ用件。区分はすべて継続)

 二十行目 本年 六月 転入の手続きについて 継続


――――――――――――――――


 応対した者の欄は氏名が入るため省いた。

 日と時刻も、間隔の算定に用いたほかは省いた。


 用件の欄は、二十行とも同じ文言である。

 転入の手続きについて、の十文字だけで、送り仮名も揃っている。


 筆跡は五通りある。

 年ごとに入れ替わっている。


 訂正や消し跡は無い。


 前号の欄は、前の票の番号を書くところである。

 空欄である。


 来訪の間隔に、決まりは無い。

 最も短いもので二十二日、最も長いもので一年と七か月。


 多い年は三回あり、一度も来ていない年が二年ある。


 十三年で二十回。

 書いた者は五人で、それぞれの行数は四、五、三、六、二である。


 合わせて二十になる。


 住所は市外である。

 転入の相談を受ける窓口として、これは正しい。


 まだ移ってきていない人が訊きに来るのだから、市外に住んでいるのが当たり前である。


 当たり前のことを、十三年、続けている。


 市の住民記録に、この氏名の登録は無い。

 転入届は一度も出ていない。


 ██町の住民記録には、現に登録がある。


 住まいが決まれば届を渡し、決まっていなければ決まってから来るように伝える。

 二十行に、そのどちらの記載も無い。


 ――三通目は、番号簿の写しである。

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