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特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇一三 二度目の橋

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報告書④ 現地の確認

四通目は、現地の確認の記録である。

市の担当者の立会いのもとで行われた。


――――――――――――――――


当該の橋は、水路をまたいで架かる床版橋である。

橋長四・二メートル、幅員二・〇メートル。


実測は台帳の記載と一致する。


床版は一枚である。

上面に舗装、下面は露出している。


下面に、型枠に用いた合板の木目と継ぎ目が転写されている。

継ぎ目に沿った線が、橋軸に直角に、等間隔で残る。


床版の下面に、途中の打継ぎは無い。

橋台から橋台まで連続している。


プレキャストの床版は工場で製作し、鋼製の型枠を用いる。

下面は平滑になり、木目は生じない。


また当該の幅員では二枚を並べて据えるため、中央に長手方向の目地が一本生じる。


現地の床版に、その目地は無い。


プレキャスト製品には製造番号が刻印される。

当該の床版に刻印は無い。


両側の橋台は下部工であり、床版の架け替えでは造り替えない。

橋台の天端と床版の下面は、打継ぎの面で連続している。


据え置いたものであれば、両者のあいだに敷きモルタルの層が入る。


九年前のしゅん工検査調書の完成写真を確認した。

写真は下流側から撮影されている。


護岸、隣接する塀、背後の樹木の位置は、現地と一致する。


写真に写る床版の下面は平滑で、中央に長手方向の目地が一本ある。


――――――――――――――――


木目は、型枠を外したときにしか付かない。

平らな面に、あとから付けることはできない。


現地に架かっているのは、十四年前に打った床版である。


九年前の写真に写っているのは、同じ場所にある、別の床版である。


据えたのなら、据えたものがある。


――五通目は、当該の橋に係る陳情の記録である。

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