報告書③ 工事の書類
三通目は、当該の二件の工事に係る書類の照会の結果である。
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十四年前の年度の工事。
市内の業者が請け負い、場所打ちにより床版を施工した。
設計書、契約書、施工計画書、しゅん工検査調書、完成写真、支出の命令書がそろっている。
工期は同年度内。
九年前の年度の工事。
別の業者が請け負い、工場で製作した床版を据え付けた。
設計書、契約書、製品検査成績書、道路使用および水路の占用に係る手続、しゅん工検査調書、完成写真、支出の命令書がそろっている。
工期は同年度内。
当該の年度、市はこの種の床版を工場から直接購入し、請負業者に支給する扱いとしていた。
請負の範囲は据付けのみである。
九年前の設計書に、架け替えを要する理由の記載がある。
老朽による、とある。
直前の架設については、触れていない。
二件の設計書の橋長、幅員、床版厚は一致する。
位置も一致する。
二件とも支出は完了しており、会計の検査でも指摘は無い。
二件の工事の間に、当該の橋に係る損傷、被災、通行止め、撤去の記録は無い。
二件の工事の担当者は、いずれも在職している。
両名は同じ課に同時に在籍していた期間があり、互いを同僚として認識している。
両名とも、自らが担当した工事について、業者名、工期、現場の状況を述べた。
内容は、それぞれの書類と一致する。
両名とも、相手方の工事については、聞いたことが無いと述べた。
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同じ橋を、二人が、別々に架けている。
食い違ってはいない。
片方が、そんな工事は無かった、と言えば、そこが手がかりになる。
二人とも、自分の側のことしか言わない。
否定が出てこない。
――四通目は、現地の確認の記録である。




