報告書① 道路管理担当の聞き取り
一通目は、その申し立てである。
担当者が聞き取って書き起こした。
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私は、██市で、道路の維持管理の仕事をしています。
橋の台帳も、私の受け持ちです。
台帳を電子化することになりまして、本年から、原簿を一葉ずつ点検しています。
その途中で、同じ台帳番号の葉が二葉出てきました。
水路をまたぐ、四メートルほどの橋です。
台帳は差し替え式です。
架け替えがあれば古い葉を抜いて、新しい葉を入れます。
抜いた葉は別の簿冊に移します。
二葉が同じ場所に入っていることは、ありません。
片方は十四年前の年度、もう片方は九年前の年度に作られていました。
どちらも決裁が済んでいます。
古いほうを抜き忘れたのだと思いました。
それなら、たまにあることです。
現地を見に行きました。
橋は一つでした。
戻ってから、二葉を並べました。
寸法も、位置も、どちらも現地と合っています。
同じ課の先輩に訊きました。
その橋なら自分が架けた、と言われました。
十四年前の話でした。
別の者にも訊きました。
その橋なら自分が架けた、と言われました。
九年前の話でした。
どちらかの記憶違いだと思って、工事の書類を出してもらいました。
両方、ありました。
業者も違います。
工期も違います。
完成写真も、それぞれ付いています。
どちらの写真も、あの橋に見えます。
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抜き忘れであれば、葉は二葉、橋は一つ、工事は一件である。
工事が二件ある。
――二通目は、橋梁台帳そのものの写しである。




