報告書② 通話明細
二通目は、文章ではない。
当課が、██電話に正式に開示を求めて取り寄せた、通話明細のデータと、それを受け取った担当者の、短い覚書である。
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被害者五名の自宅電話について、着信履歴の開示を受けた。
五名すべてに、死亡の数日前、二十三時十一分の着信が記録されていた。
ここまでは、予想の範囲だった。
問題は、発信元だ。
五件とも、発信元の番号が、同一だった。
██―████。
この番号を、██電話に照会した。
回線契約は、十二年前に解約済み。
設備は撤去済み。
██町、旧道沿いの、公衆電話ボックスに割り当てられていた番号だった。
繰り返す。
解約され、撤去され、断線した電話から、五件の発信が、記録されている。
電話会社の担当者は、青い顔でこう言った。
「この番号からは、架けられません。物理的に、不可能です。それに――」
「この番号への"発信履歴"なら、まだ、あちこちに残っているんです。最近のものが」
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鳴らないはずの電話が、架けてくる。
ここまでは、〈迎え〉の変形として、私にも理解できた。
トンネルが、電話線に姿を変えただけだ、と。
だが、最後の一行が、引っかかった。
「この番号への発信履歴が、あちこちに残っている」。
誰が、撤去された電話ボックスに、架けているのか。
三通目は、その"発信履歴"を、一件残らず洗い出した、解析の記録である。




