報告書⑥ 巡回の記録
六通目は、経過である。
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撤去票のある年度は、四年度前、三年度前、前年度。
枚数は順に百三十一、百四十四、百二十七。
前々年度の撤去票は一枚も無い。
除却の委託に予算措置がつかず、処分の委託も無く、除却していない。
同年度も職員の巡回は継続。
月に一度、年に十二回。
地点と種別と枚数を記す。
貼り紙は第一回の巡回で二十六地点、二十六枚。
第十二回まで、地点も枚数も変わらない。
前年度の最初の巡回で、この二十六枚を除却した。
当課の申し入れで、この貼り紙は簡易除却と巡回の計上から外れた。
理由の欄は継続調査のため。
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剥がした年度には、剥がしただけ出た。
剥がさなかった年度は、一枚も出なかった。
探すのをやめていない者が、一人いる。
紙の名も番号も、記録には無い。
無いまま、探し続けている。
増やしていない。
無くなったぶんを、埋めている。
増えなければ、当課の記録に動きは無い。
貼り紙は、そのままにしてある。
そのままにしてあるということは、いまも訊いているということである。
当課が守ったのは枚数であって、人ではない。
処理票を書いた。
分類の欄に異常なし、処理の欄に対象外。
この語を、私は初めて書いた。
様式には印刷されている。
使う機会が無かった。
判は、押した。
合わない数を合わせる方法が、もう一つある。
数えるのをやめることだ。
様式に、推測を書く欄は無い。
分類、処理、備考。
備考は事実の欄だ。
見た覚えがある、と述べた者から、順に所在が分からなくなっている。
書こうとして、やめた。
順序についても、記載を控える。
最近見かけない、と言われている者が、私の知る中にもいる。
私は、写真をもう一度見ていない。




