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特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇一二 お心当たりの方は

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報告書④ 従事者の照会票

四通目は、除却に従事した者に対する照会の結果である。


――――――――――――――――


照会の対象は、対象期間にこの貼り紙の除却に従事した者である。

市の職員六名、委託業者の作業員二十四名、計三十名。


全員から回答を得た。


照会票の設問は、除却の日時、地点、枚数、作業の手順、除却物の取り扱い、作業上支障となった事項。


貼り紙の写真および掲載内容についての設問は、無い。


三十名のうち二十二名が、作業上支障となった事項の欄に、写真について記載した。


記載の趣旨はいずれも同じである。

剥がしているあいだは何も無い。


電柱を離れて歩き出したときに、見られていると感じる。

振り返ると、写真は下を向いている。


記載の分量は一行から十行あまりまで幅がある。


二十二名のうち、同一の作業班に属した経験のある者は五名。

残る十七名のあいだに面識は無い。


十七名は三つの年度と四つの業者に分かれ、同じ現場に居合わせた記録も無い。


残る八名は当該の欄に記載が無い。

写真について否定した者も無い。


設問が無いため、否定の機会も無い。


追加の照会で、三十名のいずれも、他の従事者とこの貼り紙について話したことは無いと述べた。


――――――――――――――――


訊いていない。


訊いていない設問に、二十二の回答がある。

三十で割れば、七割を上回る。


そのうち十七名は、互いを知らない。

年度が違い、業者が違う。


同じことを、別々の言い方で書いている。


正面ではない。

通り過ぎるときである。


――五通目は、当該の貼り紙を見た者に対する照会である。

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