報告書② 撤去票
二通目は、██市の屋外広告物担当に対する照会の結果である。
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市は、法および条例に基づき、所定の手続を経ずに掲出されたはり紙を簡易除却する。
撤去票に、地点、日時、枚数、種別を記載する。
除却した物件は保管と処分を要するため、処分の委託が無い年度は除却しない扱いである。
照会の対象は、四年度前の年度初めから前年度の末までの四年度。
この期間の撤去票のうち、当該の貼り紙に該当するのは四百二件、四百二枚。
日付は四年度のうち三つの年度にわたる。
枚数欄はいずれも一、種別欄ははり紙。
地点は市内に散在し、同一地点が繰り返される例も多い。
いずれも木柱で、市内に残る木柱の分布と重なる。
ほかに偏りも規則性も無い。
曜日、月、時間帯も同様。
屋外広告物の掲出には市の許可を要する。
この貼り紙の許可申請は無い。
紙面にも掲出者の記載は無い。
紙面の記載は、氏名、当時の年齢、身長、着衣、いなくなった月日、連絡先。
月日に年は無い。
記載の氏名は、市の住民記録および除票に該当が無い。
近隣市町も同様。
県警察に、当該の氏名による行方不明者届の受理は無い。
年齢、身長、着衣に合致する届も無い。
連絡先は携帯電話の番号。
事業者への照会により、これまで一度も加入者に付与された記録が無い。
付与されていない番号は、接続の対象にならない。
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四百二枚。
三つの年度でならせば、一年に百三十四枚。
三日に一枚を上回る。
剥がしている。
四百二回、剥がしている。
出した者が記録に無い。
探されている者も記録に無い。
番号も無い。
記録に無いものが三つあって、そのあいだに、紙が一枚ある。
――三通目は、保管されている現物の実見である。




