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特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇一二 お心当たりの方は

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報告書① 会社員の申し立て

一通目は、申し立てそのものである。

担当者が聞き取って書き起こした。


――――――――――――――――


私は、██市██町に住んでいる会社員です。


最初に見たのは三年ほど前です。

会社からの帰り、駅から家までの道でした。


電柱に、人を探している貼り紙がありました。

上に大きく、さがしています、と書いてあり、写真が一枚。


どこかで見た覚えのある人だと思いました。


暗かったですし、疲れていましたから、それきりです。

名前に覚えはありません。


貼ってあるのは古い木の電柱です。

うちのあたりには、まだ残っています。


数日たって、別の道で同じものを見ました。

駅の反対側です。


それから、よく目につきました。


角を曲がると、曲がった先の一本目に、また同じものがあります。

同じ内容という意味ではありません。


同じ紙です。

左下が同じ形に破れて、右下の同じところが滲んでいます。


見ないようにして、駆け足で通り過ぎました。


そのときです。

見られている、と思いました。


視界の端に、まだ入っているんです。


立ち止まって正面から見ました。

写真の人は、少し下を見ています。


目は合いません。


正面から見ているあいだは、何もありません。

歩き出すと、見られます。


一度、剥がしました。

画鋲を外して、丸めて、家のごみに出しました。


覚えています。


翌日、同じ電柱に、貼ってありました。


――――――――――――――――


見ているあいだは、見ない。

見ていないときに、見る。


捨てた覚えがある、と述べている。

戻っていた、とも。


――二通目は、市の屋外広告物担当への照会である。

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