報告書① 会社員の申し立て
一通目は、申し立てそのものである。
担当者が聞き取って書き起こした。
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私は、██市██町に住んでいる会社員です。
最初に見たのは三年ほど前です。
会社からの帰り、駅から家までの道でした。
電柱に、人を探している貼り紙がありました。
上に大きく、さがしています、と書いてあり、写真が一枚。
どこかで見た覚えのある人だと思いました。
暗かったですし、疲れていましたから、それきりです。
名前に覚えはありません。
貼ってあるのは古い木の電柱です。
うちのあたりには、まだ残っています。
数日たって、別の道で同じものを見ました。
駅の反対側です。
それから、よく目につきました。
角を曲がると、曲がった先の一本目に、また同じものがあります。
同じ内容という意味ではありません。
同じ紙です。
左下が同じ形に破れて、右下の同じところが滲んでいます。
見ないようにして、駆け足で通り過ぎました。
そのときです。
見られている、と思いました。
視界の端に、まだ入っているんです。
立ち止まって正面から見ました。
写真の人は、少し下を見ています。
目は合いません。
正面から見ているあいだは、何もありません。
歩き出すと、見られます。
一度、剥がしました。
画鋲を外して、丸めて、家のごみに出しました。
覚えています。
翌日、同じ電柱に、貼ってありました。
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見ているあいだは、見ない。
見ていないときに、見る。
捨てた覚えがある、と述べている。
戻っていた、とも。
――二通目は、市の屋外広告物担当への照会である。




