報告書④ 保守点検の報告
四通目は、装置の製造元による保守点検の報告である。
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点検は本年九月十日に実施された。
判定は、異常なし。
検知部、計数部、記録部のいずれにも故障は認められない。
作動試験として点検員が入館方向に十回通行したところ、表示は十増加した。
再開日から点検日までに装置が計数した数は、この十のみである。
同期間の日報の合計は一千三十八であり、来館者はいずれも入り口を通行している。
装置に外部から数値を書き込む機能は無く、記録部の取り外しおよび交換の痕跡も認められない。
電源は建物の常用電源から取り、停電時は内蔵の電池で計数を継続する。
休館期間中の停電は、施工業者の作業日誌によれば二度、いずれも数分である。
なお装置は、合計を示す表示と、日ごとの記録の二つを持つ。
休館期間の一千四百六十二は、合計を示す表示には加算されていない。
休館の初日以後、表示が動いたのは、作動試験の十のみである。
日ごとの記録は、本年二月二十八日を最後に、一日も生成されていない。
点検員の所見として、同型機で同種の事例の報告は無い旨が付記されている。
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通れば数える。
来館者が通っても数えない。
故障として処理することはできない。
故障している装置は、閉めてある館で二百八十五日ぶんの数を作らない。
人の出入りとして処理することもできない。
入り口は施錠されていた。
数え違えたのでもない。
数え違いなら、日報と食い違う。
食い違っていない。
分類の欄に、保留と書いた。
ほかに入る語が無かった。
――五通目は、再開後の来館者に対する照会である。




