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特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇一一 先に数えてある

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報告書① 管理人の申し立て

一通目は、申し立てそのものである。

管理人から担当者が聞き取り、書き起こした。


――――――――――――――――


私は、██郷土資料館で管理人をしています。

市の嘱託で、もう十一年になります。


館は去年の五月から、耐震の工事で閉めていました。

展示は箱に入れて、奥の二部屋に寄せてありました。


入り口は施錠して、工事の方は建物の裏の通用口を使います。

私もそちらから入っていました。


入り口の上に、人が通ると数える機械が付いています。

八年前に市が付けたものです。


中に日ごとの数が残っていて、月に一度、私が読み出して紙に出します。


工事の間も、月に一度は読み出していました。

補助金の関係で、休館中も月報を出さなければいけませんでしたので。


最初の月です。

六月の末に読み出したら、数が出ていました。


四百を超えていました。


工事の方が入り口の下を通ったのだろうと思いました。

月報には〇と書きました。


閉めているのですから、来館者は〇です。


そのまま、九か月です。

毎月、数が出ていました。


おかしいとは思いましたが、誰かが通っているのだろう、で済ませていました。


三月に開けました。

それから、装置が増えないんです。


一月たっても、開ける前と同じでした。

壊れたと思って、業者を呼びました。


業者の方が、中の記録を全部出してくれました。

休んでいた間の分も、並んで出てきました。


私は、受付の日報と、並べてみました。


――――――――――――――――


同じだった、と申立人は述べている。


――二通目は、その装置の記録である。

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