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特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇一〇 次の方へ

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報告書① 証言

一通目は、申立人からの申し立てである。

担当者が聞き取り、書き起こした。


――――――――――――――――


私は、██町の第██自治会で、第四班の班長をしています。

今年の四月からです。


一年ごとの持ち回りで、うちは十二軒ですから、十二年に一度、回ってきます。


回覧は月に三回です。

市の広報と、自治会だよりと、あとは行事の案内やお願いごと。


自治会館で受け取って、板に挟んで、一番目のお宅の郵便受けに入れます。

あとは順に回って、十二軒目から私のところへ戻ります。


引き継ぎのとき、前の班長から帳面をもらいました。

班長の申し送りです。


最後の頁に、一行だけ書いてありました。

覚えのない一枚が入ることがあるから、抜いて処分してください、と。


何のことか分かりませんでした。

聞こうとも思いませんでした。


六月でした。

戻ってきた板を開けたら、訃報が入っていたんです。


黒い枠の、あの紙です。

町内の方が亡くなったときに回す。


でも、その月に、自治会から訃報は出ていません。

私は受け取っていない。


挟んでもいない。


裏を見ました。

訃報は、裏に受領の欄が刷ってあるんです。


十二軒ぶん、順番に判を押す欄が。


全部、埋まっていました。


日付も入っていました。

四年前の、六月です。


自治会館へ持っていって聞きました。

うちで刷ったものではない、と言われました。


様式が古いんです。

いまのものとは、枠の数が違います。


書いてある方は、実在の方でした。

四年前に亡くなっています。


その訃報は、当時、回っていないそうです。


――――――――――――――――


回り終えた紙が、回ってきている。


――二通目は、その紙と、自治会の記録とを突き合わせた結果である。

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