↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇〇八 置いておいてください

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
49/100

報告書④ 処分

四通目は、処分に関する記録と、市の処理施設から取り寄せた搬入受付票の転記である。


――――――――――――――――


書き足された物品も、内規に従い、受付から三か月で処分の対象となる。

差として現れた物品は、計上された月末を受付日とする。


棚に戻った物品は、当初の受付日を引き継ぎ、数え直さない。

引き取り辞退の申出は、保管期間を延長する根拠にならない。


十四点のうち十一点が、少なくとも一度、処分簿に記載され、廃棄袋に収めて市の処理施設へ搬入されている。

残る三点は直近三か月に現れたもので、まだ期間に達していない。


搬入受付票は十四か月分すべて保存されており、搬入日、袋数、重量が記載されている。

処分簿の点数と、齟齬はない。


処分した物品は、翌月には、棚に戻っている。

気づいた時点で受付簿へ書き足しており、棚卸しを待つまでもない。


戻った物品は、処分前と同一である。

名の書かれた位置、汚れの位置、破れの形、欠けの向き、すべてが一致する。


月ごとの写真で確認した。


最も多く処分簿に記載された物品は、名入りの湯呑みである。

十四か月で、十一回。


うち十一回目は先月末で、その後の棚卸しは、まだ行われていない。


保管室は施錠され、鍵は管理課の鍵箱にある。

持ち出し簿にも、保存されている十か月分の防犯カメラにも、職員の作業時間帯以外の出入りは記録されていない。


――――――――――――――――


捨てた。

確かに捨てた。


捨てた記録も、運んだ重さも、受け取った側の判も、残っている。


それでも翌月には、棚にある。


十回捨てられた湯呑みが、十回、棚に戻っている。

十一回目は、先月末に運び出したままだ。


戻っている、という書き方は、正しくないのかもしれない。

あの棚が、置き場所なのだ。


――五通目は、その湯呑みについて、私が照合した結果である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。