報告書② 棚卸し
二通目は、受付簿と処分簿を突き合わせた、照会の結果である。
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照会したのは十四か月分である。
この間に、月末の棚卸しは、十四回行われている。
十四回すべてで、現物の点数が、受付簿の残数を上回っている。
差は、いずれの月も、一点である。
二点以上の差が生じた月はなく、差が出なかった月も、ない。
差として現れた物品は、月ごとに異なる。
十四か月で、計十四点である。
差の一点は、その月のうちに拾得者不明の発見品として受付簿へ書き足され、以後は帳簿上の在庫として扱われている。
処分して棚に戻った物も、その都度、書き足されている。
したがって各月に生じる差は、その月に新しく現れた一点のみである。
同期間の忘れ物の受付は、計五百八十二点である。
差として書き足した分は、これに含まない。
うち、持ち主の氏名が判明した物は、四十一点。
全体の、およそ七パーセントにあたる。
差の十四点は、十四点すべてに、氏名が記されている。
内訳は、名入りの湯呑み、名札、記名のある手提げ袋、柄に名を書いた傘、宛名の残る封筒、その他である。
いずれも市場価値のない日用品であり、貴重品として警察へ届け出るべきものには該当しない。
十四点の氏名は、いずれも判読可能である。
かすれた字も、読めない字も、一つもない。
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忘れ物というのは、たいてい、誰の物か分からない。
分からないから、預かるしかない。
十四点は、逆である。
誰の物かが、書いてある。
書いてあって、なお、誰も、取りに来ていない。
――三通目は、その十四名から、施設へ届いた書面の写しである。




