報告書① 証言
一通目は、██総合文化センターの管理課職員からの申し立てである。
担当者が聞き取り、書き起こした。
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私は、市立██総合文化センターの管理課で、庶務を担当しています。
忘れ物の受付と保管も、私の仕事です。
うちは、忘れ物の多い施設です。
催しがあった日は、一日で十点を超えることもあります。
受け付けたら、受付簿に書きます。
日付、拾った場所、品目。
それだけです。
名前が分かる物は、備考の欄に書きます。
書いたら、保管室の棚に置きます。
三か月、置きます。
三か月で誰も来なければ、処分簿に書いて、捨てます。
内規で、そう決まっています。
月末に、棚卸しをします。
受付簿の残りの数と、棚の現物の数を、突き合わせます。
一年と二か月前から、合わなくなりました。
棚の方が、多いんです。
数え直しました。
二人で数えました。
棚を全部おろして、床に並べて、品目を読み上げながら数えました。
何度数えても、一点、多いんです。
その一点は、受付簿に載っていません。
誰が、いつ、どこで拾ったのか、どこにも書かれていない。
その月からは、拾得者不明の発見品として、受付簿に書き足すことにしました。
捨てたはずの物が棚に出ているときも、気づいた日に、同じように書き足しています。
書き足せば、翌月の数は合うはずでした。
合いませんでした。
翌月も、一点多い。
書き足す。
その次の月も、また一点。
もう、十四回になります。
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数え間違いで済ませることを、この職員はしなかった。
棚の全体と、差の一点とを、月ごとに写真に撮り、寸法と特徴を控えている。
数え間違いであってくれた方が、この職員にとっては、よほど楽だったはずである。
――二通目は、その受付簿と、差の十四点を照会した結果である。




