↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇〇七 回送

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/100

報告書⑤ 分析官の記録

五通目は、私自身の記録である。


――――――――――――――――


十枚のカードについて、乗車回数を集計した。

最も多い者で五回、最も少ない者で一回である。


市の再開発事業の記録から、立ち退きに係る合意書の提出順を照会した。


乗車回数の多い順は、合意書の提出順の、逆と一致する。


最後まで判を押さなかった者から、順に、多く乗っている。


順番は、待つ者の強さで前後する。

この課の記録は、いつも、その形をしていた。


今度も、外れていない。

帰りたいと強く願った者から、順に、乗っている。


行先について、記す。


降車二十八件は、いずれも██台である。

██台は、もう無い。


無い停留所で降りる、という記録の意味を、記録から読むことは、できない。


ただ、降りた、という記録だけが、二十八回、残っている。


判読できない一枚について、記す。


読める桁の並びは、十枚のいずれとも一致しない。

カードの発行記録にも、該当は見つかっていない。


その一枚は、八か月前に一度、乗車の記録を残したきり、降りていない。


乗車の順序を確かめた。

八か月前の、一番はじめの運行である。


誰よりも、早く乗っている。


――――――――――――――――


願った者は、乗って、降りた。

帰る場所が、少なくとも記録の中には、ある、ということなのだろう。


降りない一枚だけが、分からない。


降りないのか。


それとも――降りる場所が、まだ、できていないのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。