報告書① 証言
一通目は、██営業所の運行管理者からの申し立てである。
担当者が聞き取り、書き起こした。
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私は、██営業所で運行管理者をしています。
点呼と、配車と、記録の管理が仕事です。
最初に気づいたのは、月次の集計のときでした。
運行記録計のデータに、知らない運行が、一件入っていました。
未明の、四時台です。
うちの始発は六時十分ですから、その時間に車両が動くことはありません。
車両番号を確かめました。
車庫の、一番奥に停めてある車です。
廃止になった系統で使っていた車両で、いまは予備車です。
その車が、六・八キロ、走ったことになっていました。
六・八キロというのは、覚えのある数字でした。
六年前に廃止した系統の、営業距離です。
起点から、終点まで。
車庫の出入りは、ゲートで記録されます。
その晩、ゲートは一度も開いていません。
燃料の量も、減っていません。
点呼の記録もありません。
当然です。
誰も、乗務していませんから。
翌月も、ありました。
その次の月は、二回。
言い忘れていました。
乗車の記録も、あるんです。
精算機に、ICカードの履歴が残っていました。
乗った人が、いるんです。
動いていない車に。
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管理者は、これを機械の故障として処理しなかった。
記録を消さず、月ごとに写しを取り、保全した。
故障なら、それでよかったはずである。
よくなかったから、ファイルが、ここへ来た。
――二通目は、その運行記録と乗車履歴を、照会した結果である。




