報告書① 証言
一通目は、██号棟の管理人からの申し立てである。
担当者が聞き取り、書き起こした。
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私は、██団地██号棟の、管理人をしています。
最初に気づいたのは、十一か月前です。
集合ポストの、一番下の段に、紙が落ちていました。
不在連絡票です。
ご不在でしたので、お預かりしています、という、あの紙です。
拾って、部屋番号を見ました。
三〇二号室でした。
ポストに戻しておきました。
その次の日も、ありました。
別の部屋の分です。
一週間で、四枚になりました。
おかしいと思ったのは、枚数ではありません。
差出人の欄が、空だったからです。
品名の欄も、空でした。
重量は、〇・〇キログラムと、印字されていました。
担当者の印だけは、はっきり読めました。
██、と。
住民の方に、聞きました。
皆さん、荷物の心当たりはない、と言います。
間違いでしょう、と言って、捨てた方もいます。
配達を見た人は、いません。
うちの棟は、玄関に人の出入りが多いんです。
それでも、誰も、配達員を見ていません。
ポストは、玄関の内側にあります。
道からは見えません。
三月に、大雨が降った日がありました。
あの日も、票は入っていました。
濡れていませんでした。
私は、五棟すべての管理を任されています。
他の棟のポストも、毎日見ています。
██号棟だけです。
他の棟には、一枚も入りません。
私は、捨てずに、取っておくことにしました。
管理室の引き出しに、日付順に入れました。
十一か月で、二十七枚になりました。
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管理人は、枚数を数えていた。
数えて、取っておいた。
その判断が、この事案を、事案にした。
二十七枚。
私は、その数を、書き写した。
――二通目は、その二十七枚の追跡番号を、照会した記録である。




