報告書② 貸出記録
二通目は、市立██図書館から開示を受けた、貸出記録の抽出結果である。
担当者の覚書を付す。
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当該資料コードに紐づく貸出記録を、保存されている過去五年分について抽出した。
除籍処理は、四年前の三月。
廃棄記録も同月に登録されている。
当該コードでの貸出は、その翌月から始まっている。
件数、三十一件。
発生の間隔は、一か月から二か月に一件。
規則性は認められない。
特定の曜日、特定の時間帯への偏りもない。
三十一件すべてにおいて、返却日の欄は空欄である。
延滞の督促は、一件も発送されていない。
督促は、期限を過ぎた記録を自動で抽出して出す仕組みだが、当該コードは、その抽出に一度もかかっていない。
貸出に用いられた利用者番号は、十七名分。
同一人物が複数回借りている例が、いくつか含まれる。
十七名は、いずれも実在の利用者である。
番号は正規に発行されたものであり、住所、氏名、生年月日、すべて登録されている。
なお、館内の貸出手続きは、カウンターと自動貸出機の二経路である。
当該三十一件は、いずれの端末の操作ログにも、対応する記録が存在しない。
※返却記録の再確認は、当課の記録係が担当した。
同人からの申し送りは、以下の一行のみである。
「返却の記録は、探しました。どこにもありません」――記録係
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手続きをした形跡がないまま、記録だけが積み上がっている。
十七名は、実在する。
――三通目は、その十七名に当たった、聞き取りの記録である。




