報告書② 町の記録
二通目は、██町役場から開示を受けた、行方不明者に関する記録である。担当者の覚書を付す。
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██町における行方不明者届のうち、十八歳未満のものを、遡って抽出した。
保存されている記録は、昭和四十年代以降。該当、七件。
発生年を、古い順に並べる。
昭和四十七年。昭和五十四年。昭和六十二年。平成七年。平成十四年。平成二十二年。平成三十年。
間隔は、七年から八年である。
いずれの案件も、未解決。遺体、遺留品、ともに発見されていない。
町内に防犯カメラは三台のみで、いずれも設置は近年である。過去の案件については、映像記録が、そもそも存在しない。
したがって、七件すべてにおいて、資料は、目撃証言のみである。
その証言の内容が、七件とも、ほぼ同一であった。以下に要約する。
「夕方、子どもが一人で、町はずれの方へ歩いていくのを見た」
「声はかけなかった」
「急いでいるようには見えなかったので、気に留めなかった」
七件のうち五件で、証言者は、時刻を「六時ごろ」と述べている。
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七年から八年に一度。町から、子どもが一人、いなくなる。
声をかけられた子は、止まる。かけられなかった子は、止まらない。
それだけの話である。だが、私は、一つだけ、確かめたくなった。
止まらなかった子どもたちは、どこへ、着いたのか。
三通目は、私が調査員を派遣して、そこを見に行かせた、報告である。




