↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇〇四 六時のチャイム

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/100

報告書① 証言

一通目は、██町に住む男性からの、聞き取りである。担当者が書き起こした。以下、原文のまま記す。


――――――――――――――――


去年の十月です。夕方、畑から戻る途中でした。


チャイムが鳴りました。「夕焼小焼」の。うちの町は、五時に鳴るんです。子どもに、帰る時間を知らせるやつ。


でも、その日は、六時でした。おかしいな、とは思いました。思っただけで、気にはしなかった。


そうしたら、向こうから、下の孫が歩いてきて。


いや、歩いてきたんじゃない。私の横を、通り過ぎたんです。


まっすぐ、前を見て。急ぐでもなく、遊ぶでもなく。ただ、歩いていく。町はずれの方へ。あっちには、もう、何もありません。廃寺が一つ、あるだけで。


「どこ行くんだ」って、声をかけました。


止まりました。振り返って、きょとんとして。「じいちゃん、なんで、ここにいるの」って。


その子は、自分がなぜそこにいるのか、わからないようでした。家にいたはずだ、と言うんです。


家内に聞いたら、確かに、家にいたと。テレビを見ていたと。いつの間に出ていったのか、わからないと言うんです。


――ただ、一つだけ。


その子、靴を、履いていませんでした。


――――――――――――――――


証言は、ここで終わっている。


同種の証言が、他に三通、綴じられていた。いずれも、六時のチャイムのあとに、子どもが一人、町はずれへ向かって歩いていた、というものである。


四件とも、大人が声をかけ、子どもは止まっている。


――では、声をかける者が、いなかったときは、どうなるのか。二通目は、町の記録を、そのまま写したものである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。