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記録室より
今朝、机の上に、次のファイルが積まれていた。
表紙に、事案番号〇〇四。
前のファイルは、書庫へ送った。判は、私が押した。押した記憶も、ある。
今度の舞台は、██郡██町。人口三千を切る、山あいの町だ。
読み始めて、まず、目についたことがある。この町には、防犯カメラが、ほとんど存在しない。役場と、郵便局と、一軒だけあるコンビニエンスストアの、計三台。それだけである。
証拠は、人の目しかない。誰かが見た、という証言だけが、記録として残る。
私は、そのことに、少し、安堵した。安堵したことに、自分で驚いた。
添付されていたのは、住民の証言が四通と、町の行方不明者の一覧、それに、後から差し込まれた一通である。
最後の一通には、日付が入っていない。
――そして、この事案について、私は、一つだけ、記録に残しておかねばならないことをした。それが何かは、四通目に書く。




