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特異事象調査記録  作者: モリタ・ハク
事案〇〇三 まだ映っている

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報告書⑤

五通目は、いずれの担当者も、提出していない。深夜二時十四分、記録システムに、作成者不明のまま、登録された。形式は、映像記録の、書き起こしである。


――――――――――――――――


【記録開始】


場所、記録室。時刻、深夜二時十四分。


室内に、人物一名。机に向かい、書類を、綴じている。挙動に、不自然な点は、認められない。


――以下、補記。


当該人物について、直近三か月間の、対面接触記録を、照会した。該当、なし。


なお、室内の人物は、一名では、ない。


当該人物の背後、扉のあたりに、もう一名。この一年、██市内のすべてのカメラに、記録され続けている人物である。氏名の照合は、できなかった。住民票にも、職員名簿にも、存在しない。


にもかかわらず、この人物には、対面接触の記録が、ある。


百八十七件。


【記録終了】


――――――――――――――――


ここまでが、五通目である。


百八十七。該当者の数と、同じだった。私は、この二つの数字が、なぜ一致するのかを、考えている。考えて、まだ、答えを出していない。


この事案の分類を、私は、まだ決めていない。決めかねている、と書くのが、正確だろう。


判を押すのは、もう少し、あとにする。

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