報告書④ 記録分析官(前任)の記録
四通目は、報告書ではない。
私自身の、覚書だ。
①から③までを綴じ終えた私が、この事案の末尾に、書き加えておく。
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③の名簿に載っていた、当課の内線。
誰のものか、照合した。
書きたくない。
だが、記録は、残さねばならない。
あれは、私の、内線だ。
信じたくなくて、私は、自分の携帯電話の、発信履歴を開いた。
私は、あんなボックスに、架けた覚えは、ない。
一度も。
――履歴に、██―████への発信が、七件、残っていた。
いちばん古いものは、二か月前。
ちょうど、前の事案の――トンネルの綴りを、私が、書き写していた頃だ。
あの記録を書きながら、私は、もう会えない誰かのことを、思い出していた。
強く。
ほんの少し、会いたいと、思った。
それだけで、じゅうぶんだったのだ。
いちばん新しい発信は、昨夜。
私は、架けていない。
眠っていた。
だが、履歴は、通話時間まで、記録している。
四十七分。
私は、四十七分、誰かと、話していたことになっている。
今夜、二十三時十一分。
次の着信予定が、名簿に載っている。
私の、番号で。
あと、二時間。
私は、もう、戻れないのだろうか。
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※以上で、前任の記録分析官による記述は、途絶えている。
同人は、この夜を最後に、出勤していない。
以下の一通は、後任が引き継いだ記録である。
――記録係




