83.汚物は水責めじゃあ!(#`ω´ )o<=三三ブシャア
アーサー・リッパースターは"CBB"というゲームに於いて職業組合に所属していた。
戦闘スタイルを決定付ける"職業"は研鑽を重ねる事でより上級の職業に転職していける。各職業組合に籍が有れば特典として所属中にだけ使えるアイテム・施設・剣術・体術・魔術等のスキルが開放される。
シド司教の使った魔法は、アーサーが所属した聖騎士ギルドでも使われていた治癒魔法だった。
「さてと……何が聞きたい?」
シド司教が切り出す。
「おや、俺からで良いのですか?」
「構わん、伯爵からの依頼に手を尽くすさねばならん、がその前に、目の前で困っている者に手を差し伸べるのが聖職者の務めだよ」コリコリ
シドがこめかみを掻きながら質問を促す。一見するとただの癖に思えるが、しかしアーサーにはその仕草にピンと来るものが有った。
「ならそうですねぇ、『では、コレってわかりますか』?」ゴソ
CBBのみならずオンラインゲームならば大抵は実装されている通信機能、アーサーが使ったのは他ゲームとの合同サーバーでしか使わない"共鳴通信"。鞄に指一本でも入っている、通信端末を装備している、或いは事前に設定した"考える仕草"、この何れかの方法で行える機能だ。
『なんと……この神通力と通じ合えるとは……、想定よりも君は、いや、君達は我々と近いのかも知れんな』
『想定……それに近い? そりゃどう言う意味で?』
『…………そうさなぁ……、力と体、むむむ……」コリコリコリ
瞠目したり眉間に皺を寄せたり、かと思えば目を閉じてブツブツと呟きながら考え込んでしまう。そうして意外な表情の豊かさを披露した老神官だったが、やがて溜め息を吐いて袖を捲った。
「はぁ……すまん、協力してやりたかったがこの情報を教えられる地位では無い。が、先程の会議内容が期間内に全て達成され、且つ迷宮制覇まで我らベイバード陣営によって達成されれば……晴れて私はシド大司教として協力出来る事が増えるだろう」
「ははぁ」
つまりは『出世に協力してくれたら見返り出すよ』と言っているのだ。
アーサーとしては断る理由も無いが、出世の為の駆け引きでこうもあからさまでありながら迂遠な言葉に、思わず口から出た承諾とも呆れともつかない溜息のような返事でもシド司教は喜んで受け取った。
「そうか!そうか! では手始めにこの後"神域鉄道部"の支部を尋ねてくれ、あそこは鉄道敷設に大量の人員を必要とするが、最近募集人員が必要数に届いて丁度今大勢の人間がこちらに向かっている。それも明日には到着するだろうという話だ。拙僧が動員を掛ければ万の人間を集められるが、たった千人規模でも今日明日即投入可能となればその価値は等しい、いやそれ以上だな。私の名前を使って結構、人員配置を譲り受けてくれ、期待しておるぞ!」バシッバシッ
無遠慮に肩を叩かれるアーサーだが衝撃を受け止める身体の感覚から、自身が完全回復した事を理解した。
「ああ、こんなに健やかに治して頂いた以上、明るい内にやっておきますよ」
「ははははは! それじゃ」ノシ
ふわっ くるん ギュン!!!
軽く手を振ってから振り向いたシドが宙に浮く、それからベッドで寝るような感じに90°傾いてそのままかっ飛んで行った。
「弾丸かよ……」
それからアーサーはCBB団に合流、幹部を集めて早速仕事に取り掛かった。




