3/12
朝の儀式
パンをトースターにセットする。
お皿とジャムを準備する。
日に褪せたテーブルに。
色落ちしたテーブルクロスに。
パンが焼き上がるまでの間、おはようのキスをしてやった。
香ばしい匂いが漂うと他の台所の子たちもそわそわ活動的な気配をさせる。
イスが僕をせっついた。
皿がガチャガチャと僕をせっついた。
フォークなんて僕を攻撃しそうにいきり立った。
僕は順番におはようのキスをして台所をまわる。
おや、黒焦げのパンができてしまった。
生ゴミ入れの中から恨めしそうに僕を見るので、バターを塗ってシャワーに拐わせる。
そしてただその後の幸福を祈念した。




