地位を諦めたお嬢様は潔い。
いつも読んでいただきありがとうございます。他の作品で伝えてましたが体調も良くなってきて正直ホッとしてます。またぼちぼち頑張ります。次回は8/22(土)投稿予定です。
「お待ちください、ファクター令嬢。」
あれだけ力がなく出て行ったファクター令嬢の足取りは重いものかと思っていたアイリスだったが、意外にもさっさと歩き去っていたので、彼女を呼び止めるには生徒会室から結構離れた中庭の廊下あたりだった。
「・・・・・・何かしら?」
振り返ったファクターにコーデリアは一瞬だけ躊躇ったがすぐに真っ直ぐ向き合う。
「その・・・どうしても生徒会をお辞めになるの?」
「えぇ、先程申し上げた通りですわ。何?私に残って欲しいのかしら?」
「えぇ、正直残って欲しかったわ。」
コーデリアの返事にファクターも後ろに控えているアイリスも驚く。
「貴女の行きすぎた行動は確かに問題もあったけれど、1番生徒会メンバーを統率していたのも貴女の手腕は私にはありませんもの。」
「驚いたわ、一度失敗した人間には容赦のない厳格者と思っていたのに。」
「確かに、どちらかと言えばそうね。でも、私は能力ある者を一度犯した罪だけで手放す愚か者でもないわよ?」
父の教えでもあるのだと言えば、ファクターもまた何処か納得するそぶりを見せたのでアイリスは家門貴族あるあるなんだなと深く追求する事はせず、2人のやりとりに耳を傾ける。
「随分と私を評価してくださいましたが、もう決めましたの。」
「罪悪感からかしら?」
「半分はそうね。あの状況を作り出したのは私のせいと思っているから。」
「もう半分は違うというの?」
ファクターは頷くと中庭が見える窓に視線をやる。
「危険な目に晒される可能性を感じた時に私はただ安全な場所で震えてるしかできませんでしたの。打開する策を講じる事も真相を突き止めようとする知恵も勇気も無くね。そんな者が王妃の役割が務まると思いまして?」
「王妃になる為に生徒会へ?」
「えぇ、私にはその器があると思っていましたから。でもそれはただの思い上がりだったわ。だから私はとっとと辞めて次の場所で頑張るしか無いと思いましたのよ。」
家族も納得してくれたし、私には家の商会を発展させるほうが性に合ってますからとファクターはニコリと笑う。
「それに殿下は少々私のタイプではありませんもの、自分の損得で人間をおきますわよ彼の方は。」
まぁその辺は否定しないなとアイリスも同意しているとファクターは一礼する。
「今回の件に感謝してますわ、彼女達に対して罪を償う機会をくれたんですもの、これからどうするか考えますわ。」
そう言って去って行ったファクターの後ろ姿を静かに見送った後アイリスは口を開く。
「なんというか、謝っているのかどうか怪しい言い方だな。」
「そうでも無いわよ、彼女は貴族として責任を負うつもりみたいだし、その為に仕事を打ち込むんでしょう。彼女なりに贖罪するつもりなんだわ。」
コーデリアの言葉にアイリスは生返事で返した。
いつも読んでいただきありがとうございます。




