王太子というのはメンタルが強いのか思い込みが激しいのか
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は少し先の8/15(土)投稿予定です。
それからさらに数日生徒会ではある出来事が起こっていた。
「ーーーーー生徒会を辞めたい?それは本当かい?ファクター令嬢。」
王太子は自分の机を挟んで向かい合わせに立つ令嬢を見上げて問う。
机には綺麗に書かれた辞表と書かれた物がポツンと置かれていた。
「はい、数日考えて決めた事です。」
静かに答えたファクター令嬢に生徒会に所属する彼女の取り巻き達や他のメンバー達も驚いた顔で彼女の後ろ姿を見つめる。
唯一、前回の事件の経緯や原因を知る自分とコーデリアだけが驚く事なく静観していた。
「一体どうしたんでしょうか?」
「最近みるからに体調が優れてはいないと思ってはいましたが・・・。」
ヒソヒソと囁き合う声が聞こえたのか、一瞬ファクターは身体を強張らせたが後ろには気を向けず王太子だけを見つめた。
王太子もある程度事情は把握しているから何も言えずにただ唸るだけだった。
「いいのかい?君は生徒会に意欲的だった事は大変好ましいと思っていたから正直残念に思うけど。」
「そう言って頂けて光栄ですわ。」
弱々しい会釈を見て、本当に今回の件は彼女にとって相当堪えたのだとアイリスは思っていると王太子が口を開く。
「分かった、受け入れよう。皆も聞いていたね?ファクター令嬢は一身上の都合で生徒会を抜けるが今まで通りに。抜けた後のカバーもするように。」
「お、おい!本人がまだいるのに!というか引き留めないのかよ?」
さっさと切り替える王太子を見て、流石にそれはどうかと側近でもあるヴェインが口を挟む。
「あぁ、だけどいつまでもくよくよ出来ないだろう?令嬢の事は本当に残念だし引き留めたい気持ちも勿論ある。だけど数日悩んで決意した彼女の事を尊重すべきだろう。」
ヴェインを見て王太子はそこまで言った後、ファクター令嬢を見やる。
「今までご苦労様、ファクター令嬢。」
「いえ、失礼します。」
静かにそう言って出ていくファクターに誰もがどよめく、だが彼女が心配で駆け寄る事は他の生徒会メンバーも取り巻き達もしなかった。
貴族ってこういう物差しで動くよなと保身に入り始めた周りの人間を観察していたアイリスだったが、コーデリアはスッと立ち上がったので彼女に視線をやる。
「アイリス、外へ行くわよ。」
その一言でアイリスはコーデリアの後をついて行った。
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