好奇心をとるか安寧をとるか
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は8/2(日)投稿予定です。
つまり少なくとも3回は今回のような事例が起こる。
そしてこれを機に主人公達はダンジョンへ潜り来たる災いを阻止すべくレベルを上げていくのである。
だから前世で乙女ゲームしかしてこなかった妹はよく私に主人公を後方支援させるべきか前衛へ行かせるべきか相談してきたっけ?
顔も名前も思いだせない妹とのやりとりを思い出しながらアイリスは少し懐かしさを浸るが、机に頬杖をついて考える。
今の段階で考えるならまず私は攻略対象ときゃっきゃうふふな事はしていない。
攻略対象の何名かは良好な関係ではあるが知り合いの他人か良くて学業を共にする友人程度である。
約1名は邪魔だし、約1名は自分を嫌悪している、そしてこういうのにいそうな大人枠攻略対象に1人はいそうな教師、正直言って誰か不明だし普段から考えて教師達との全く親密さは皆無だ。
・・・何だかこう改めて書き出すと全くこういうのに向いていないなと再確認させられるな。
だがまぁ自分には正直不要な友好関係だとアイリスは思う。
今回の学園生活の終了、魔王を討伐すれば自分は実家に帰るだけである。
そうなれば貴族も王族とも学園の権威ある人物達との縁もそれまでだ。
そうなると随分退屈な学園生活になりそうだとアイリスは物思いに耽る。
魔王の強化を阻止すれば戦いも有利だろうし何より自分が魔王の称号も持っているほどのステータス持ちだ。
弱体化した相手を相手にするのは・・・退屈だろうな。
もし、もしあと3回起こるであろうイベントを見逃して魔王を強化すれば、少しは戦いを楽しめるのではないか?
「ーーース。」
「!」
ふと顔を上げて隣を見ればコーデリアが寝返りを打っていた。
どうやら先程は何か寝言を言っていたらしい。
アイリスは黙ったままコーデリアの穏やかな寝顔を見つつ、この前の事件に巻き込まれ恐怖していた表情を思い出した直後、アイリスは自分の頬を叩いた。
勿論防音魔法をかけているので叩く事でなる乾いた音はコーデリアには聞こえない。
だが一瞬だけ彼女は眉を顰めたようにアイリスは思えた。
ジンジンと右頬に熱を持ちながらアイリスは深く息を吐く。
流石にコーデリアがいるのにそんな軽率な事出来るわけないだろう。
もしコーデリアが危ない目に遭った時、それが己の好奇心で招いた事で起こった事であればアイリスは後悔すると理解する。
それだけコーデリアは自分にとって大切な人の枠の中におさまっている人物だと再確認すると妙に胸がざわつくのを感じたがアイリスはそれは何なのか分からず首を傾げるだけで深く考えはしなかった。
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