今回の落とし前は指一本で、冗談では無く。
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は7/4(土)投稿予定です。
「やはり、今回の犯人は貴女だったのね?確かイティルさん、だったかしら?」
コーデリアは冷静にやってきた相手を見る。
名前を呼ばれたイティルは思わず逃げようと踵を返したが、いつの間にか扉を塞ぐようにしてアイリスが立っていることに気がつく。
「どうして・・・どうして私だって。」
「決定打はこの前の件かしら。これまで襲われた後は軽度の記憶障害だけで生活に支障をきたすほどではなかったわ。まぁ、それでも念のため学園を休む子はいたけど。でも前回は違う、明らかな精神攻撃を受け、その生徒は今も治療にあたっているわ。もっとも、治る見込みは低いでしょうけどね。でもどうして今回だけそうしたのか、そう思っていた矢先、1人の女生徒が打ち明けてくれたわ。襲われた子がその日だけ自分と同じ髪型にしていたと。その姿を見て殺意を自分では無く被害者に向けたのではないかと。それを聞いて、私達は本来被害者になる可能性のあった彼女の行動を知り、彼女に恨みがある人物に焦点を当てた。自ずと人は絞り込めたわ。」
現に貴女は引っかかったでしょうとコーデリアはイディルに告げる。
イディルは図星だったのか恐ろしい形相でコーデリアを睨んでいた。アイリスからはイディルの今の表情は見えない、だが後ろ姿だけで今彼女がどんな表情を浮かべているのか分かる。
自分たちでイディルが今までどんな学園生活を送っていたのか、彼女達にどんな仕打ちをされてきたのか。
とても理不尽で、彼女にとって大きな苦痛だったろうと想像できる。
けれど、だからといって彼女達をあのような形で報復してはいけなかったのだ。
禁忌魔法の一つである精神魔法を使うのはこの国で重罪、それは絶対だ。
だが、お嬢様も大概だな。
重罪を犯した者を見つけたら国へ報告義務がある、それなのにーーー。
「イディルさん、人は間違いを犯す事はあるわ。でもそれに気がついた時誤魔化すのでは無く思いとどまり反省すべきよ。貴女はしていけない事をした、でもまだ引き返せるわ。だから今から学園長にお話しなさい、自らの足で赴き貴女のこれまでの境遇を鑑みて学園長は貴女を「今更何?」」
ざわりと空気が変わったのをアイリスは察知する。
「今まで、我慢して我慢して我慢して。親にも話さずに。ひたすらに我慢した。それなのに今更、いまさら何?何何何何何何何」
「イディルさん」
「コーデリア下がって。」
鈍い赤黒い光が彼女を包み込む。
アイリスはコーデリアの前に瞬時に移動し、持っていたナイフを向けた。
そこには女生徒ではない、異形な存在が立っていた。
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