まぁ 可能性は無きにしも非ず
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は6/13(土)投稿予定です。
コーデリアは一度言葉を切って目の前の令嬢を見やる。
まぁそうだわな。開口一番に自分が被害者になる可能性があったなんてそんな話し、普通に驚くだろう。
顔には見せないコーデリアの動揺を感知したアイリスは彼女の好きなお菓子を目の前に差し出す。
勿論、今お茶に合ったものである。そこは抜かりなく従者として当たり前のことである。
アイリスの意図を察してコーデリアは一度お菓子を小さく齧り甘い余韻を堪能した後、お茶を一口口にした。
「それで、どうして貴女は自分が狙われているとそう思ったの?」
そう、なんでそう思ったのかだよねぇなんてアイリスは独りごちる。
何故なら、今回のこの騒動に関連性が見つからないからである。
貴族だけ狙われているかと思えば平民の外部生も狙われたので違う。
下級生だけかと思えば上級生も狙われた。
じゃぁ学生寮の人間を狙った反抗かと思えばそうでは無い。
今わかっている情報からみてなんでこの女が狙われたのか、そもそもどうして狙っているのは自分だと思うんだ?
コーデリアの言葉に一瞬言葉を詰まらせたが、目の前のドリル女はポツポツと話し始めた。
あの日は自分の取り巻きの令嬢が自分の髪型を褒めてくれていたそうだ。
だからいつものお礼を兼ねて、いつも自分の髪を整えてくれるメイドに自分の髪型を彼女に施した。
同じ背格好、同じ髪型、髪色はまさしく後ろ姿は自分そっくりだった。
「それで、そのままいつものサロンでお茶会をする予定だったんです。他の友人を驚かそうと思って、でも私はたまたま先生に頼まれ事を仰せつかっておりましたので遅れて行く事になって。そしたら友人達が先にサロに向かっていた時にはもう・・・彼女は気を失って倒れていたそうです。」
「それなら、たまたま彼女が1人の時に襲われたのではなくて?自分が狙われていたと思うのは早計ではありません事?」
たまたま同じ装いをしていたからそう思ったのではないかとコーデリアの言葉に彼女は首を横に振った。
「そ、そうではないのです。実は・・・この事件が始まってしばらくしてずっとそうじゃないと思おうと思っていた事があるんですの。」
意を決した様子にコーデリアとアイリスは互いに顔を見やる。
冗談でも妄言を言いそうに無い様子の彼女に2人はじっと彼女を見た。
彼女の顔は真っ青のままだった。
「実は襲われた生徒達、私の家の事業を手伝っている商家や家門なんですの。それにあの時の集まりは私達しか知らない場所で行っている貸切サロンでしたの。・・・偶然にしてはおかしいですの。」
そう言ってポロポロと泣き始めた彼女にコーデリアはハンカチを差し出しながらアイリスの方を見た。
そうですねお嬢様、もしかしたら有力情報かもしれねぇな。
最後は素になり口悪くアイリスは独りごちた。
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