高飛車女の頼み事
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は6/6(土)投稿予定です。
「失礼」
「あん?・・・げ。」
コーデリアとアイリスは声をかけられたので後ろへ振り返ると先ほど噂をしていたドリル女もとい、ファクター令嬢がそこに立っていた。
相変わらずドリルな頭に今日もきっちり巻いてんなと思いながらアイリスはふと彼女の顔を見て怪訝な顔になる。
何あれ、めーっちゃ顔色悪くね?
見れば、装いはきっちりしているが顔色が蒼白で目元のクマも酷い事に気がつき思わずコーデリアの方へ顔を向けると、彼女もすぐに異変を感じ取ったのかコーデリアもこっちに顔を向けていた。
それぞれアイコンタクトで同じ事を思っていると分かり、また彼女を見やると淑女の礼をする。
珍しく、蔑みが滲み出た目をしていないファクターに、アイリスはボリボリと後頭部を掻きながら小さくため息を吐いた。
「テラスにお茶の用意してきます。」
短くそう言ってコーデリアに伝えるとアイリスは踵を返し先へと進んだ。
まぁ、十中八九例の事件のことなんだろうな。
アイリスは彼女の珍しい萎れた態度の理由について推察しつつなんのお茶を出すべきか考えたーーー。
アイリスから遅れて10分、コーデリアとファクターが無言で歩きながらテラスへやってくると、コーデリアの椅子を引き、そしてファクターにも椅子を引いて座らせたアイリスはテキパキとお茶の用意をする。
柔らかい香りのお茶にコーデリアは満足げな顔をする。
「ハーブティーね。」
「心が落ち着くものをブレンドいたしました。どうぞ。」
アレルギーの対策もしっかりしてますというアイリスの言葉にファクターは透き通った若草色のお茶の入ったカップを取りゆっくりと飲む。
飲んだ後の余韻が良かったのかファクターはホゥっと息を吐いたのを見て、コーデリアもまた満足そうな顔を見せたが、すぐに本題に入った。
「それで、先ほど言っていた話したいと事というのは?」
「は、はい。」
公爵令嬢であるコーデリアの方が地位が上、緊張する令嬢もいるにはいるが・・・これは違う緊張だな。
冷静にアイリスが観察しているとファクターが意を決して口を開いた。
「お話ししたい事というのはこの前私の友人が倒れた事はもうご存知でしょう?」
「えぇ、どうやら例の件に関わっているとかで・・・それがどうかしまして?」
「実は・・・被害者になっていたのかも知れないのは彼女じゃなくて、私だったのかも知れないんですの。」
え?どういう事?
アイリスは立ったまま彼女の言葉に首を傾げた。
「ーーーそれで、」
いつも読んでいただきありがとうございます。




