なかなか解決しないんだよなぁこういうのは。
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は5/23(土)投稿予定です。
こうして始まった生徒会メンバーでの見廻りは時折生徒同士のいざこざがあった以外、特に大きな出来事はなく時間だけが過ぎていった。
勿論、例の事件に生徒会のメンバーが被害にあうことはなかった事から、一時決定していた在学時間は放課後までという決定事項を覆し、今後生徒達は放課後以降複数人で行動すれば在学時間を通常の時間まで可能という御触れを出したのだった。
この最終決定にコーデリアは時期早々だと不満と心配を口にしていたが、自分達生徒が決めたわけではなく教師陣の判断なのでそれは仕方ないと宥めながらアイリスもまたこの奇怪な状況を考える。
恐らく今回のことは例のゲームの中で出ていた魔王がらみのことだろうと睨んでいるが何せ情報が無いのだ。
情報がないというのは今の現状のことではない、ゲームのシナリオの情報である。
正直、誰が原因で事件が起きてどうやって解決していくのか全く分からん。
妹なら今のこの状況を1話せば10の答えが返ってきそうだが、そんな便利なチート情報を持つ妹のような人間はここにはいない。
「なんかこう、道具ねぇのかなぁ?」
「道具?急に何?」
昼食中急に口に出したアイリスの言葉にコーデリアは訝しげに向かい合わせに座るアイリスを見る。
「今回の件の犯人が見つかる探知機みたいな道具ねぇかなって。」
「あぁ、確かに。それがあれば直ぐ解決できそうね。でもまぁそれでもそんなもの作れるか怪しいものね。」
「それがそうでもないようだよ。」
「殿下。」
「うわっ、出た。」
話しの間に割ってやってきた王太子に、気持ちを押し殺した表情を務めたコーデリアに対し、アイリスは嫌だという顔で出迎える。
勿論、そんな顔をしても何故か王太子にはアイリスの顔を見ても怪訝な顔をすることなく、逆に爽やかに笑い返された。
このヒロイン補正まだ続くのか・・・。
他の人間の態度がだんだん変わっていったのを受け、もしかしたらこいつもいつか正気に戻るのではと少しばかり期待していたが全く変わらない事にアイリスは期待を止め諦めた。
「殿下、先ほどはどういう意味なんでしょうか?」
「あぁ、そうだねその話しか。実は錬金術の先生が今回関わっているだろうつまり犯人を探し出す探知機を作り出すつもりらしい。」
聞けば何人か被害に遭った生徒からその生徒とは違う魔力の残骸を採取できたらしい。
妙な力が働いて読み取りにくくなっているが解析はなんとか進められたらしく、急ピッチでその魔力の人間を探知できるアイテムが開発されているとのことだ。
「今度生徒会でもそのアイテムを貸してくれるみたいでね、まぁ人材が多ければ多い方が探す範囲が広がるから助かるという思惑もあるからなんだろうけど。」
ふーん、こういうの聞くとなんだかゲームっぽい流れだな・・・ん?
ふと女生徒が出入り口から出ていくのを見たアイリスは、妙な気配に首を傾げたが気にせず茶を啜った。
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