ん?何か引っ叩いたような・・・?
いつも読んでいただきありがとうございます。次回は5/16(土)投稿予定です。
生徒会の権限で書庫の鍵を預かっていたコーデリアが鍵を開ける。
そのまま彼女が扉を開けようとしたが、アイリスがそれを止めて自分がドアノブに手をかける。
「お嬢様、先頭は私が。」
短くそう言うと、ええお願いというコーデリアの返事を聞きアイリスは扉をゆっくりと開ける。
開けた途端、本の独特の匂いが鼻をかすめる。
人の気配がない事を確認したアイリスは一歩その中へと入る。
「おい、人がいたらどうする?」
「大丈夫、ここに人はいねぇ・・・いません。」
「なんでそんなことがあんたに分かるんだ?」
「ザフィールさん、アイリスは昔狩猟を生業としていて気配を敏感に察知出来るの、ですから彼女の言うことに間違いありませんわ。それともーーー。」
私の専属従者が無能とでも言いたいのかしら?とコーデリアが圧をかけて言えば、ザフィールは押し黙る。
流石に公爵令嬢に悪態はつけられないだろう。
中に一歩一歩入って行くと勝手に室内に明かりが灯り明るくなると見えてきたのは、寸分の狂いもなく幾重にも綺麗に積み上げられた本に圧巻する。
よくもまぁこれだけ積んで崩れ落ちてこないな?
自分の背より3倍ほどの高さを積み上げられている本を見上げながらアイリスは本に魔法が施されているのを確認する。
「なるほど、盗難用に固定魔法が施されている。だから落ちてこないのか・・・。」
「ここは所謂図書室には置けない書物ばかりって聞いたから一冊一冊かけられているんでしょうね。なんでも禁書部類もあるとか。」
「え?本当か?」
「えぇ、とはいってもその類は絶対に見つけられないよう封印されているから私達のような生徒では見つけるのも無理でしょうね。」
驚いて思わずタメ口になったザフィールを咎める事はなくコーデリアはーここの書庫について説明をする。
へぇ・・・禁書か。ちょっと読んでみたいけど無理かな・・・いや、あったわ。
たまたま横の壁を見て足を止めたアイリスは目を細める。
何重にもかけられた護りの魔法と認識阻害の魔法を見てアイリスはここに禁書があると確信する。
複雑な魔法のそれに普通なら解けない代物だと理解するのに時間はかからなかった。
まぁ私なら解けそうだなと術式の癖を確認しながら考えているとにゅっとコーデリアの顔が見えた。
「アイリスどうしたの?具合が悪くなったのかしら?」
コーデリアにはこの魔法陣が見えていないのだろう、アイリスを心配した声が響く。
「いえ、少し考え事です。」
「そう、なら良いわ。ここにも特に問題なさそうだし次に行きましょうか?」
本をしげしげ眺めていたザフィールに声をかけ了承をえると3人は踵を返して部屋へ出る。
・・・ッバチリ!
「・・・・・・ん?」
なんか今、ぶつかったような衝撃があったような?
アイリスは思わず振り返るが何もない事に首を傾げる。
「気のせいか?」
「アイリス、閉めるわよ。」
コーデリアの声でアイリスは今度こそ部屋からでるとコーデリアが扉を閉めて鍵をかけた。
閉まる際、床に小さな黒い靄が消えかけていたが誰にも気づかれることなくしっかりと施錠された。
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