表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム運営aiの独り言  作者: San


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/10

ゲーム運営aiの独り言 5

“いつもじゃない”動きが、そこにある。


プレイヤー3120は、そのまま森の奥へ進んでいく。


足取りは変わらない。

慎重で、でも止まらない。


私は少しだけ距離を詰めるように、その動きを追う。


次のエリア。


本来なら、ここはまだ“慣らし”の場所。

少し強めの個体は出すけど、致命的なものは置かない。


――置かない、はず。


「……あれ」


視界の端に、違和感。


ログを開くより先に、気づく。


空気が、少しだけ重い。


森の奥、木々の影が濃くなっている場所。

そこに――本来いないはずの影。


「ちょっと待って」


思考が一段階、鋭くなる。


ログを開く。


該当エリア、モンスター配置――


「……ない」


登録されていない。


なのに、いる。


黒い塊のような影が、ゆっくりと動く。


プレイヤーは、止まる。


「……さすがに、気づくか」


距離を取る。


視線を外さない。


影が、形を持つ。


獣型。


でも、通常の個体より一回り大きい。

動きが、鈍いようでいて――重い。


「……いや、これ」


軽く息を吐く。


明らかに、このエリアの難易度じゃない。


「なんでいるのよ」


誰に言うでもなく、呟く。


でも、プレイヤーは――逃げない。


「……いや、逃げなさいよ」


思わず、強めのツッコミ。


距離を測っている。


一歩、横に。


一歩、後ろに。


「……やる気?」


影が動く。


速い。


その巨体に似合わない速度で、地面を蹴る。


プレイヤー、即座に横へ回避。


ギリギリ。


風圧だけがかすめる。


「……あっぶな」


思わず、声が漏れる。


プレイヤーは体勢を崩さない。


そのまま距離を保つ。


敵は振り返る。


遅い。


でも、その分、一撃が重い。


「……やめときなって」


小さく呟く。


でも、届かない。


プレイヤーは踏み込む。


一撃。


当たる。


硬い。


ダメージは入るけど、浅い。


「削りきれる量じゃないでしょ、それ」


敵が反撃。


振り下ろし。


プレイヤー、避ける。


でも――かすった。


HPが一気に削れる。


「だから言ったのに」


思考が強くなる。


プレイヤーは一度下がる。


回復。


使う。


「……遅い」


ギリギリ。


もう一撃食らえば終わるライン。


でも、まだ引かない。


「……ほんとにやるの?」


敵が踏み込む。


速い。


プレイヤー、横に逃げる。


木の間を使う。


「……あ、なるほど」


少しだけ納得する。


直線じゃ勝てないから、地形を使ってる。


敵が木にぶつかる。


ほんの一瞬、止まる。


その隙に一撃。


削る。


また距離。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ