消えたキッド
その次の朝、ケイトの前からキッドはいなくなっていました。
ケイトは焦ってキッドを探しました。
もうお店を開く余裕すらありません。
周りに声をかけるはネットに捜索情報を流すは出来る限りの手をつくしました。
どうして急にいなくなったの?
やっぱり私との生活が嫌になったのかしら?
いつも安いエサばかりだったし…。
危ないから家からも出さなかったし…。
もっとあなたの事を考えてあげれば良かった。
出来る限りの手をつくしたケイトは自分で探す以外もう朗報を待つしかありませんでした。
それから一週間の時間があっと言う間に過ぎて行きました。
その日もキッド探しでくたくたになったケイトは寝る前に猫動画を見ていました。
キッドを失った悲しみを少しでも癒やそうと…しかしそれは逆効果でした。
猫動画をひとつ見る度にキッドとの思い出が溢れてきて涙がこぼれます。
そしていくつかの猫動画を見た後にこれで最後の動画にしようとある動画をタップしました。
しかしそこに映っていたのはただの猫動画ではなかったのです!
何とそこに映っていたのは探し続けていたキッドでした。
キッドは自慢のかぎしっぽを活かして猫動画のヒーローになっていました。
可愛く遊んだり、ヘマをしたり、それはキッドが店内で見せていた姿そのもの!
それどころか余計に派手に演じているようにすら見えました。
ああキッド!
お前はそこにいるのね!元気なのね!
明日こそ絶対に見つけ出して抱きしめてあげる!
ケイトはこの動画を見つけた瞬間すぐにでもベッドから飛び出しそうになりましたが、時間が深夜だと言う事もあってこの日は大人しく眠る事にしました。
しかし興奮して中々寝付けませんでした。
チチチ…チチチ…。
昨夜寝付くのが遅かったケイトは少しだけ寝坊していました。
あくびをしながらキッチンに向かうとそこには探し続けていたキッドの姿が。
そう!彼は昨夜の内にケイトのもとに帰って来ていたのです!
ああ!なんて事!夢じゃないかしら!
ケイトは大変驚きました。
朝目が覚めたばかりなのにまだ夢の中にいるのかと錯覚するほどでした。
喜び過ぎて正気じゃいられないケイトに気づいたキッドはするすると彼女に近付きニャ~と言いながらスリスリしました。




