平凡なる凡夫
閉鎖的な現実世界での生活の窮屈感からの脱出から思いついたものであり
元々は、なろうに近いエロ妄想でAIにぶちこんで
遊んでいたのを自分なりにかみ砕いて、健全な内容で描いてみようと
思い至りました。とはいえ、大部分は切り貼りしたようなテンプレ内容ですので
落としどころをみつけて完結までかければと、考えております。
【3】
メールを受信した時間帯、僕は熟睡していたようで
受信ボックスの時刻は21:00を表示していた。
扉の横に設置した郵便受けはいわば、物理メディア
つまり速達や郵便のようにメールを受け取り開閉が出来る
手間のかかるシステムを搭載している
僕はそれを大変気に入っており、ほかにも
送り主によって便箋の表示が変化するため視覚的にも
誰から送られてきたメールか判別出来るようになっている。
白い封筒の中身は「定期健診」のお知らせだった
期待を裏切られた落胆の気持ちで、僕は内容を確認していく
【開始時刻:11時 場所:医療棟 飲食は水のみ可】
高度に発展したテクノロジーのもとで受ける定期検診は
その驚くほどのスムーズさが売りだ
MRIを含む胃カメラなども、たった20秒ほど身体をスキャニング
するだけで終了となるのだ。
採血の際に腕に走る針の痛みなどは、まったくなく
手術着みたいなペラッペラの紙エプロンみたいなのを着用する
必要もなく、何も事情を知らない僕はそんな調子で、明日の検査は
1時間かからずに終了するもんだと思い込んでいた。
翌日────
有域内次元探求調査機関─I.D.E.R.O 医療棟
ここは居住区から最も近くフロアセクションであり
重傷患者や重篤な有害事象に迅速に対応すべく
徹底して清潔さが保たれており
あらゆる感染症への防御策を講じるためか
虫一匹通すことも許さない厳重警戒体制が敷かれている
ワープジャンクションからすぐ正面には白を全面的にアピールした
検疫所が設けられており、通過するだけで殺菌または感染症の有無が検査され
適切な病棟へと順路が表示され、そこへ自動的に案内される。
事前予約情報がすでに承認されている場合も同様に
僕が施設内に接近しただけで、すでに行き先の順路として
病棟のB1へ繋がるエレベーターに通された
入院患者用の病室と医師の診察室が地上に突出している外殻部分の
大半を占めており、地下はI.D.E.R.Oの研究ラボが占めている
全面ガラス張りのエレベーターから地下に広がる広大なジオフロントの
光景にはいつもながら圧倒される。居住区にはない最新鋭の研究がここには
詰まっており、調査機関の重要セクションの一つとも言えるだろう
だがその実験や研究について居住者が全体を把握していることはない
エレベーターを降り、白衣の群れのが慌ただしく動き回る
メインラボが併設されたフロアに足を踏み入れる
人造人間でも大量生産していそうな、怪しげなラボもあるが
室内栽培可能な作物や成長促進剤による酪農など
I.D.E.R.Oの運営に欠かせない、衣食住に関するものから
遺伝子工学、機械工学など多ジャンルに渡って
大勢の研究者が出入りしており、僕の経過観察のデーター分析も
彼らに一任されている。
信用に値する人物が大勢このラボでは研究に従事しており
【アーイシャー・マンダヴァ】博士もそのうちの一人
ここにスカウトされてメディカルスタッフとなり
遺伝子治療により、兵士の戦闘能力を高める
技術を確立した人物でもあり、医療チームのアドバイザーも務めている
容姿端麗な東洋人系インド系アメリカ人女性であり、僕がCIAの
エージェントでもなければ、殺人ナノマシンを注入される心配もないので
全面的に僕は彼女を信頼している。
祖父は日本人で1950年代のジョン・エドガー・フーヴァー長官時代に
FBI(連邦捜査局)長官補佐へ就任しマフィアへの潜入捜査などに
参加、父親もFBI捜査官であった経歴の持ち主であり
どうやら【ナオミ・ハンター】であった歴史は辿っていないようだ。
「ここにくるまでに、概ねスキャンは完了しているから
検査はほとんど終了よ。」
「じゃあもう帰っても・・・・」
「そう言ってあげたいけれど。まだよ 今日はあなたの運動能力を
確かめさせてもらいたいの。」
「ぶっ倒れるまで走る系のですよね。こうみえて結構、歳いってるんで
ストレッチしてからでいいですか」
「ええ、問題ないわ。万が一の場合に備えてこちらもスタッフを
万全の状態で待機させてあるから、安心して」
「そんなにハードなのさせるんですか・・・」
「酷なことを言うようだけど。機関にとってあなたは重要な
情報資源なの。その細胞配列や記憶、これまで体験してきた出来事
基底世界に対する知識に乏しい我々にとって貴重なサンプルを
犬死させるような真似はさせないわ」
真っ白な塗装とフローリングが施された廊下を
前をいく博士のヒールの音だけが響いていく
彼女に追従していく僕だが、若干の不安とうつ向きからその
足取りは重たかった。
人に呼び出されるのは心が追い詰められ、肉体的にも疲弊するから嫌いだ
特に女性とふたりっきりとなると、その歩幅の距離感に緊張する
バイタルを測定する機器を取り付けられることなく
歩かされるのは、非常に不安を搔き立てられた。
やがて彼女が足を止めた。
「着いたわ。」
そこは四方の壁が真っ白なマス目の塗装を施されており
無機質なトレーニングルームという雰囲気がある
監視用に設置された天井からほど近い位置にガラス張りの
制御ルームのような部屋が見える。
「デンジャールームですか?ここ」
「ええ・・・上層部はあなたの潜在能力を引き出すべく
各セクションに司令を出したの
危機的状況下において、基底世界の住民が発揮するその能力の有無を
確かめるべく・・・・コレを手にはめて」
「スマートウォッチよりも小さいっすねこのデバイス
腕の締め付けもないし、バイタル測定にしてはごついような」
「腕に力を込めて。それはいわば緊急時の携帯型のテレポートデバイス
いま、ちょうどここに座標をマーキングしたわ。もし危険だと
判断したら、躊躇せずに使うのよ、それで命は守れる」
「でも運動能力の測定にならないんじゃ」
「平穏で退屈で穏やかな日々を過ごすべきよ。みずからそれを放棄する
必要はないわ。特異な能力をもたないにせよ
闘争に飛び込んでいく必要はないわ
兄のように命を落としてからでは、何もかも手遅れよいいわね。」
「わかりました・・。」
「気をつけて。」
人に励まされるというか、心配されたのは久しぶりだ
だがいま思えば自分が過ちを犯す理由でもあった
調子乗りな悪い部分が顔を出してしまったのだ。




