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二輪の騎士  作者: 小町
第三章
59/84

第57話 英雄

 ヘインズは、どこから話そうかと口にしながら、やがてゆっくりと話し始めた。小町が理解しやすいようにという、彼の配慮を感じていた。

「王族付の近衛騎士というのは、元来より各国に存在している職ではあるのです。この国にも、国王、正妃といった王族と括られる方々以外に、御側室や、国に関わる方々には、それぞれに近衛騎士が付き従っております。殿下についても、むろん然り。当時もその流れに外れる事柄など、過去に例を見なかったと申し上げておきます」

「はい」

 大丈夫、ちゃんと理解できていますと意思を込め、しっかりと頷いてみせた。 

「しかしながら、その例外が殿下となりました。殿下は、剣術においても御力においても、あらゆる面であの方より秀でる者がいないほど、お強い方でいらっしゃいます。ブライバスも、当時は王族の剣術指南を務めておりましたが、教え始めて数日で、もう歯が立たなくなったと申しておりました」

「数日で? あの……当時の殿下は、おいくつだったのでしょうか?」

 いくらなんでも、生まれてすぐなんてわけがない。赤ん坊が剣を握れるはずもない。

 きっと、“当時”という時期が鍵なのだと率直に感じ、そう尋ねていた。

「殿下が王城に上がられたのは、十に満たない歳でした」

「十に……満たない……」

 この言葉は、小町に衝撃を与える事になった。

 なぜなら、その頃のディクシードは、九つやそこらの少年という事になる。その時既に、人並外れた剣技を身につけていたというのだ。

 十歳前後の少年といえば、ここに来るまでにも遭遇した子供達のように、未だ体つきも幼く、精神面でも発育途中にある。そんな少年が、成人した男性に歯が立たないと言わしめた事実。それも、剣術指南をつとめるほどの腕前の人に。

 小町を驚かせたのは、それだけではなかった。ヘインズは、“王城に上がられた”と言ったのである。それはつまり、その歳まで城外で暮らしていたという事を指す。加えて“上がる”という言葉は、この場合、下級の身分の者に使う言葉だった。例えば、貴族階級出身の娘が、王城に下女として迎えられる際には、“城に上がる”と使うように。

 生まれながらの王子でありながら、王城の外で暮らし、下層に身を置いていたと考えるべきではないだろうか。でなければ、わざわざそんな言い回しをするはずがない。

「それは、殿下が九つだったと?」

 疑っているわけではなく確認として尋ねた。するとヘインズは目を細め、確かに頷いたのである。

「ブライバスは、あなたを賢い方だとも申しておりました。間違いないとお見受けします。正確には九つと一月ほどですが、その歳に殿下は、王城に上がられる事になったのですよ」

 ヘインズは小町の目をしっかりと見返し、また“王城に上がられる”と答えた。小町の疑問を察し、それを肯定したのである。

 彼の言葉には、予想だにしない事実が含まれている。一つや二つどころではないだろう。決して、聞き逃してはならない。

 小町が改めて居住まいを正すと、彼はそれでいいと言うように頷いた。

「前置きとしてもう一つ、知っておいてもらわねばならない事柄があります。殿下が城に上がられた理由についてです」

 彼は、続けてこう言った。

 これを話さなければ、あなたは王都に対し、ひいてはこの国に対し、不快感を募らせてしまいますから、と。

「その頃の国内は内戦を抱え、他国間には目に見えた軋轢もありました。今でこそ和平の協定が結ばれ、住みよい国と言う者もおりますが、各国との軋轢は今も確かに存在し、内戦の火種も完全に消えたとは言い難い状況ではあります。しかしながら当時は、その両者が王都の懸念の全面であり、民の心も荒む一方の時期だったのです」

 淡々と語られるヘインズの言葉を一つとして聞き逃すまいと、小町は一心に聞き入っていた。

「そこに、奇跡の人――これは民が殿下を指す時の呼称なのですが、当時は奇跡の子と言われておりました。その“奇跡の子が王城に上がる”という事は、それ自体に大きな意味があったのです。コマチ殿ならば、ご理解いただけると思いますが」

「……光明……ですね?」

「いかにも」

 内戦と他国間の軋轢を抱え、国は大いに揺れていた時期だった。そこに、ディクシードという“正当な王位継承者が王城へ上がった”のである。

 それまでなぜ王城の外で暮らしていたのかは不明、本当に下層に身を置いていたのかも不明だが、どちらにしろ、この国の民にとっては光明となった。これを光明と言わず、何と言えばいいのか。

 ディクシードが城に上がる理由――それはつまり、民の期待と国の期待、その両方を背負っていたという事だ。

 たいへんな重圧だったに違いない。どれほどの重みが、わずか九つの少年の肩にのしかかった事だろう。プレッシャーの一言では片付けられないほどの重みだったはず。

「包み隠さず申し上げるなら、王都にとっては、光明となることこそが狙いだったのですよ。民の心に響けば、内戦はやがて鎮まっていくだろうと……しかしながら王都は、残念なことに、数日で力を示した殿下に対し、恐れを抱いてしまったのです」

「王都にとっては……光が……脅威となった」

「何と申し上げればよいのか」

 ヘインズは言葉を詰まらせ、同情するような眼差しを小町に向けて言った。

「それもまた仕方がなかったと言う外ないのです、コマチ殿。王城に上がる際にも、殿下の御力については問題となっておりました。有事以外は身につけておけと対価の石を与え、その御力を抑制させる事で対策としました」

 対価の石なら小町も見た。ディクシードの胸に、熟れたザクロを連想させる深紅の鉱石があった。肌に埋めていると言っていた石で、何の為にと小町も疑問に思ったが、やはりあれは、抑制の意味があったのだ。

 彼の生気は強い。抑えつけねばならないほど強いという事だ。そして当時は、有事の際に外せる環境にあったと言う。肌に埋めてはおらず、外せる環境下にあった。

 王都としては、対策を立てた上でディクシードを迎え入れたのだ。

「ですから、何ら構えていなかったわけではありません。ただただ殿下の御力が、それ以上に強かった」

「……はい」

「言うなれば王都は、その懸念を差し引いたとしても、国外に目を向けねばならなかったのです。内戦を鎮め、各国との軋轢に迅速に対処せねばなりませんでしたから」

「国内に目を向け、兵を割く余裕がなかったのですね?」

「仰る通りです。国境付近では既に他国の軍が攻め入り、戦火となりつつありました。それも、内戦の好機と踏んだ国は、一つではなかった」

 他国軍の侵攻……

 各国との軋轢は、修復不可能な状況下にあり、最悪の事態となって国に影響を与え始めていた。一つではないとヘインズは言ったが、いったい、いくつの国が好機と踏んだのか。

 この国の軍の規模など知らないが、おそらく、徴兵は思うように得られなかっただろうと察する事はできた。なにせ、内戦を抱えていたのだから。

 国は、行く末を考え、天を仰ぎ、なりふりかまわず神よと祈りたかったに違いない。わらをもすがる思いで光明を頼った。

「では……では、殿下は……国境の戦地に……?」

 光明となるべく王城に上がった第一王子。

 光明に力を見出した王都は、次にどうしたか。考えるまでもない。

 王都の内戦への懸念は、少なからず薄れただろう。そうなれば、もう一つの懸念に対処したはずだ。国境付近の戦火を鎮めるべく、彼の力を利用したのではないのか。

 彼の名は軍を鼓舞する材料となり、彼の力は確かな戦力になる。これは、数日前に小町でさえ思ったことなのだ。あなたは象徴なんかじゃないと叫んだ小町に、彼は、狩ることこそが自分に与えられた役割だと答えた。いつもと変わらぬ抑揚のない口調だったが、彼自身が事実を語っていた。

 つまり王都は、それを……わずか、十歳に満たない少年に課したという事だ!

「王都は、戦地に彼を送り込んだのですね?」

 知らず語気が強まっていた。

「国内に対する光明のみならず……戦地に送り込み、幼い彼の力を利用した」

 利用などという言葉は適していないのかもしれない。それでも言わずにはいられなかった。

 見据える先で静かにヘインズが頷いた。

「結果的には」

 なんてこと!!

 たったの……たったの九つの少年に、なんてことをさせたのか!?

 王都への憤りが膨らんでいく。

 仕方がなかったとヘインズは言った。それも多少は理解できる。王都の懸念だって理解できているつもりだ。

 でも、でも、でも……

 当時のディクシードは九つだったのだ! それなのに!

 向かう場所がない憤りが小町の中で膨らんでいく。そして同時に、やるせなさも感じている。

「顔色が優れません、コマチ殿」

 気遣わしげにヘインズが言った。背中に添えられた手が、彼の心境を語っている。

「この話は、やはりあなたには酷なものです。直ぐに知らずとも、あなたの耳にもいずれ届きましょう。ですからここまでに――」

「いえ」

 小町は、ヘインズの言葉を遮った。

「あなたは最初に、心構えが必要だと仰いました。以前から感じていた疑問ですから、私なりに整えているつもりでいます。気になさらないで」

 ここで止めてはならない。ディクシードの事を知るなら、今は知るべき時だ。

「それに、民も知るところなのだと仰っていたわ。ここに来るまでに会った少年たちも、殿下に畏怖の感情を抱いているように見えました。あの子たちも知っているのでしょう?」

「っ!」

 驚いたように目を見張るヘインズに、小町はなおも言いすがった。

 聞いておかなければならない。たとえ、ディクシードが閉ざしたいと言った過去であったとしても、子供でさえ知っている話を自分が知らないのでは納得がいかない。

 子供でさえ、彼の境遇に配慮を見せているのに……

 どうして自分だけ、その理由を知らないのか。

「私は、たぶんここ最近で、一番彼の身近にいて、一番彼と共に過ごしているはずなんです。それなのに……私だけ知らないなんて……」

 それはとても歯がゆい事だった。歯がゆいと表現する以外に、言葉が見つからない。

「仰ること……よく理解できます、コマチ殿。ならば、ここまでを前置きとお考え下さい」

 小町は神妙に頷き、話の続きを待った。


 ◇◇◇◇◇◇


「隊長、何の話か気になりませんか?」

 副官に問われ、ランバートは小町に目を向けた。パリスと話し込みながらも、視界の端には小町の姿を捉えてあった。

「気にするな、リディオ。ハンソンに任せとけ」

「しかし、コマチの様子が――」

「放っておきなさい。込み入った話をしているのですから」

 そう言ったのはパリスで、チラッとランバートを見やり口角を上げる。

「ヘインズは殿下の話をしているのですよ。そうでしょう、ランバート」

「テメッ」

「いいではありませんか。どのみち知れる事でしょうに」

 二人の話を聞き、少しばかり考えたリディオは、思い至ってランバートに問いかけた。

「例の話ですか?」

「そうだ」

「俺が、コマチに話しておいてくれと頼んだからですか? 俺は隊長に話してくれと頼んだんです」

 いつになく不機嫌そうに言う。ランバートとしては、後々、副官にも報せるつもりだった。ヘインズから話してもらったのだと。

 しかしながらこれは、予期せぬ展開である。

 パリスめ。

 腹黒い男を睨みつければ、男の笑みが深くなる。

「時間がないと言っていましたね、あなた」

「うるせぇ、余計な事を言うな」

「リディオは知りたがっていますが?」

「…………」

「どういう事です、パリスさん」

 黒い笑みを浮かべるパリスに、ランバートが舌を打つ。しかし男は意にも介さず、副官に話してしまうのである。

 それは昨晩のこと。パリスと共に、御仁の部屋へと足を運んだ時のことだ。討伐までの予定を確認するためだったが……

「あなたの上官は、御仁に頭を下げていました」

「……隊長が?」

「ええ」

「…………」

「これこれの理由があり、娘に主君の事を話せていない。討伐で目の当たりにする前に、前もって話しておきたいのだが、時間がとれそうもない。御仁から話してはくれまいか」

「…………」

「要約すると、こんなところでしょうか」

 極上の笑みをリディオに向け、納得できましたかとパリスは問うた。ようよう頷いたリディオは、やがて直属の上官に向き直り、先走りの感情で責めてしまった事を詫びた。

 これにはランバートもポリポリと頬を掻くしかない。

「いや、俺も悪い。言っとくべきだった、時間がねぇからってな。本当は、コマチにも俺から話すつもりだったんだが」

「…………」

「んな顔するな。お前は悪くねぇって」

「でも――」

「見込み違いだったんだよ。こんなに早くハンソンが動くとは思っちゃいなかった。大聖堂あたりかと踏んでたんだが、おかげでお前に言えずじまいさ」

 ヘインズが小町の様子を見に行くと断りを入れに来た際、これから話すのかと視線で問うと、あの男は“機を見て”と口にした。現状を見る限り、その機があったという事だ。

 楽しそうに笑っていた小町は、今やヘインズと同様、神妙そのものだ。

「ところで、ヘインズを指名したのは、ランバート、あなたですか?」

「バカいえ。あれから御仁に会っちゃいねぇ。俺がいつ指名できるんだよ? ああ?」

「私はてっきりあなたかと」

「俺だってな、御仁が直接話してくれればと思って頼んだんだ」

 それがまさか、ヘインズを寄越してくるとは予想外だった。

 ハンソン・ヘインズは、御仁の側近である。常に隣にいるべき男を自ら離し、御仁はここに送り込んできた。御仁は御仁で忙しいと承知していたが、まさか、あのヘインズとは。

 やはり食えない御方だとランバートは思う。どのような思惑があるのか。

 とはいえ適任としか言いようがない人選ではあった。ヘインズ自身がディクシードの近衛を務めた過去があり、主君の過去をよくよく知る人物でもある。当時の主君を知らないランバートが話すより、むしろ適任だろう。

 それだけでなく、未だあの男が近衛であったなら、間違いなくランバートに代わって近衛の指揮をとっていたはずだ。小町の護衛も担うなら、これ以上ない人選といえる。

「すいません、隊長。俺、やっぱり気になります。難しい話ですから、コマチがどう捉えるかと思うと……様子を見てきていいですか?」

 リディオの視線の先には、小町とヘインズがいる。

「やめとけ。ハンソンは兵からの支持もあつい。ちゃんと配慮する」

「しかし……」

 依然として二人を見たままリディオが口ごもり、ランバートは釘を刺した。

 気持ちは分かるが、リディオでは役不足なのだ。

「お前が行ったとして、何と声をかけるつもりだ、リディオ」

「っ!」

「コマチに噛みつかれりゃ、答えるまで放さねぇぞ。お前はどう言うつもりだ?」

「…………」

 おそらく、答えを用意していなければ、食いちぎられて終わりだろう。そしてあの娘は、予想だにしない問いを投げてくるのだ。当然、リディオが迷うような問いを。

 リディオには悪いが、かけ引きという点においては、いくつも年下の小町の方が上だ。認めたくなくとも認めねばならない。リディオにも認めさせるには、これはいい機会でもある。

 ランバートは畳みかけた。

「お前が答えを損ねりゃ、あいつは反感しか持たねぇ。結果、王都に反発したとして、それこそ火種になりかねん。そこまで考えてんのか?」

「……いえ」

「大げさな話じゃねぇぞ。あの娘にはディクシードがついてんだ。コマチに応じねぇと思うのか? 副官のお前が、本気でそう思えるのか?」

 抜かりなく任務をこなす副官だが、欠点もある。額縁の外から物事を眺めるのは長所。そして短所は、“覚悟”が足りないこと。生死に関するものではなく、己が身を置く場所に対する“覚悟”が足りなかった。副官であることの“本当の覚悟”。

「もしそう思えるなら、お前は心底“おめでたい副官”だ」

「…………」

 この男が自分へ憧れを抱いているのは、ランバート自身、自覚があった。だがリディオは、深く踏み込んでこない。憧れを抱きながらも、そこから先に進もうとしない。いずれランバートの場所に立つという事を漠然としか捉えておらず、いざそうなる可能性を示せば、まだいいと身を引いている。せいぜい、隣に並べる環境に満足してしまっている。

「いいか、リディオ。完璧になれと言ってるわけじゃねぇ。俺自身、欠陥品だからな。だがな、俺は、完璧でありたいと思っちゃいる」

 御仁のように。ディクシードのように。

 広い視野でものを見て、あらゆる事柄に対処できるように。

「覚悟がねぇなら、こっから先には踏み込むな。あるなら存分にこい」

 俺は先に行く。立ち止まるつもりはない。

 お前はそこで足を止めて傍観か? 差が開く一方じゃねぇか。

「分かったか、リディオ」

 ついに副官は、渋い顔のまま頷いた。

 ランバートは思う。アレンの次は、今度はこいつの正念場かと。

 一方でパリスは、二人の男を眺めて自己陶酔にひたる。我が目に狂いはなかったと。


 ◇◇◇◇◇◇


 前置きから一転して、ヘインズの話は、戦地でのディクシードの功績となった。すると途端に、物語の一節を聞いているような心地になり、自制をと身構えていた小町は、聴き専一方となった。王都への憤りも、次第に薄れていく。

 まず一つ目の戦地で、ディクシードは見事な初陣を果たす。御仁の兵を率いながらも自ら前線に立ち、その力を発揮したのである。国軍一万、対する敵軍三万という戦況下、大勝をその手にもぎとったのだ。わずか九つの少年の力を前に、敵軍の半数が逃走したのが勝因となり、奇跡の子の異名は伊達ではないと敵将に言わしめた。

 御仁が総軍の指揮をとったというのも、勝因として大きかったのだとヘインズは言った。他の武将たちも、ディクシードの影で薄れてしまったが、皆、あらゆる面で敵軍に勝る働きをしていた。

「我が国の軍は、列強国の中でも最強であると謳われております」

 誇らしく言いながらも、戦勝を語ったヘインズは、奇跡の子を指し、こう言った。小町の心に、深く印象に残った言葉だ。

「一騎当千という言葉では、とうてい生ぬるい。あの方は、万の兵に勝る」

 大勝の報せを聞いた王都は喜び、そしてディクシードの力を恐れた。しかしこの時はまだ、その恐れが形となる事はなかった。

 二つ目の戦地では、既に大勝の報せがいきわたり、国軍に大きな影響を与えていた。大勝と聞き、兵の士気が上がり、奇跡の子が援軍に駆け付けると聞いて更に向上した。そしてそれは、更なる大勝へと繋がっていく。

 先だって勝った三万の敵軍の倍――およそ六万の兵にも、勝利をおさめたのだ。ここでも逃走した敵軍が目立ち、相手方の士気が著しく落ちたのが勝因となる。その間、わずか、一週間と一日。

 それまで、三か月に渡って攻防を続けていた地での短期での勝利に、人々は沸き立ち、王都は両手を挙げて喜んだ。その事実は国内を駆け巡り、王都が出した盛大なフレと相まっていく。

 彼はまさに、奇跡の子なのだと。

 国内に知れ渡れば、国外に響くのも然りである。奇跡の子の大躍進を知った最後の侵攻国は、聞くや否や、即刻、撤退の決断を下し、兵を引きあげていく。

「私も前線に立つ予定でしたが、この時ばかりは呆けてしまいました。赴いた戦地に、敵兵が一人として見当たらないのですから」

 天幕はそのまま残されていた。食糧でさえも残り、敵軍が脱兎のごとく逃げ去った形跡があった。奇しくも戦うはずの敵軍は、他の二国よりも兵力が少なく、およそ一万と六千である。これでは、奇跡の子に壊滅させられてしまうと、即座に逃げ出したのだ。これは英断と呼べるのだと、ヘインズは他国の将を褒め、小町も頷いた。

 その後、増兵して戻ってくる可能性も視野に入れ、御仁は一時待機して待ったが、結局、以降の侵攻は認められなかった。これが、ディクシードの三つ目の大勝となった。

 初陣から数え、およそ半年と経たずして成し遂げた偉業である。

「おそらく、殿下が不在のままの戦いであれば、数年とかかった事でしょう。侵攻国三つを退けるのに三年。その間に他国の軍が攻め入ってくれば更に一年。なお増兵して戻れば、もっとかかったはずです。列強国最強と謳われる我が国の軍でも、数年とかかる戦いでした。それを半年で成し得るなどと、誰もが想像だになかったのです。ブライバスでさえも」

 この話を聞く頃には、小町は、あらゆる憤りが消え去り、念頭にあった自制という言葉も、どこか遠くにいっていた。

 ディクシードが英雄として凱旋したと聞いた時など、むしろ誇らしくさえあった。彼がもたらした勝利なのだと。あの人が成し遂げたのだと。奇跡の子と賞賛する人々の姿が、脳裏に浮かぶほどだった。

 げんきんな娘だとヘインズは思ったかもしれないが、そんなものを気にする余裕もなく聞き入り、九つの少年にとって、この戦勝がどういう意味を持つのかを、考えさえしなかった。

「内戦は、殿下という光明がさす事で、王都の思惑通り鎮まりつつありました。内戦だけでなく当時のあらゆる災厄が鎮まっていき、近隣国との対立が薄れてきたのもちょうどこの頃のこと。三つの戦勝を前に、機を待つばかりの他国も恐れをなしたのです。ですから、殿下を奇跡の子と賞賛する民の声は日に日に増し、今日では奇跡の人と呼称を改め、今なおその名で呼ばれ続けております」

 恐れ、敬い、ディクシードに敬意を向ける。騎士のみならず、これまで小町が見てきた人々は、やはり彼に畏敬の念を示していた。

 ディクシードの話は、そこで王都での様子に移る。聴き専一方だった小町が、しっかり考えなければと思えるようになったのは、凱旋後の王都で、ディクシードが受けた最初の屈辱を知った時だった。

 大勝を二つ挙げた時、王都は喜びながらもディクシードの力を恐れ、新たな対策を考えるようになった。三勝目にはもう、動き始めていた。

「殿下は現在、更に強力な石を与えられ、肌の下に埋めておられます。御存知でしょうか?」

 神妙になった小町が恐る恐る頷くと、ヘインズは、それが王都との成約なのだと言った。

「殿下ご本人の意思ではなく、王都の意思と申し上げておきます。王都の許可なく取り出してはならないという条件がありましたが、殿下は…………それを承諾なさいました。一薙ぎで山を砕くと謳われた御力ですが、今はその影もありません」

 山を砕くとは、むろん比喩ですが、とヘインズは言った。

「成長と共に御力も増し、共に自制の幅も広がっているはずですが、未だ殿下には石を外してよいという王都の許可はおりません。ですから今現在、どれほどの御力を有しておられるのか、我々とて計り知れないのです」

 どこか、当時のディクシードの力を惜しむような口調だった。

 小町は唇を噛んでいた。ディクシードの言葉を思い出したからだ。そんな石を埋めて痛くないのかと問うた小町に、ディクシードが言った言葉を。

 ――埋める際は相当だったが。

 普段通りの口調でサラッと言っていたが、今はかえって痛々しく胸に響く。

 それでもやはり自制に徹し、復活した王都への憤りと罵倒は、脳内に留めていた。

 その後王都の恐れは、無口で無表情な王子を前に、顕著に現れ始め、エスカレートしていく。一つ目が対価の石。そして、二つ目が近衛となった。第一王子に近衛騎士は不要という決定が下ったのだ。表面上は、力ある者に近衛は不要という理由からで、ランバートとヘインズが言ったのは同じ言葉だった。

 そして三つ目が、人望を築かせないこと。

「王都は、一切の人との繋がりを断とうとしました。公務以外の外出を禁じ、必要以上に人と関わってはならないと、新たな成約を結ぼうとしたのです。ですがそれは、ブライバスが手を回し、何とか退けたのですが……」

 それでも王都の重圧に負け、更には本人が無口という悪条件もあり、人との繋がりは減る一方となった。剣術指南役の御仁だけは、そんなディクシードに目を掛け続けた。

 そして、決定打はパリスとなる。王都は、側近である男を退けてしまったのだ。

「オーディリックは、当時、側近教育を受けた若者の中で、頭三つは飛び抜けておりました。最年少ながらに、見るものを唸らせていたのです」

 パリスがディクシードの側近という大役を預かったのは、わずか十一の時だった。歳が近い方が第一王子に不便がないと言う御仁の口添えとは別に、年上の側近候補達よりも、彼自身が有能だったからだ。王城に上がったディクシードにピタリと付き、不器用な第一王子をあらゆる面で補佐できるようにと、幼いながらに懸命に職務に励んでいた。

 他国との三つの戦火の中でも、本来は王城待機とされる歳にも関わらず、同行を名乗り出るや、主君の天幕維持に務めた。あわや危機かと思われた状況下では、彼の知略と剣技によって、主君の天幕は救われていた。およそ半年という短期間ながらに、側近としての成長は著しく、素晴らしい才能を見せていたのである。

 そんな人材がこれから先、第一王子の傍にいるのは喜ばしいことだと、御仁は何度もヘインズに話し、ヘインズもまた同意だと頷いていたというのに、それも、王都によって退けられてしまった。

「ブライバスの話では、オーディリックは随分と粘ったそうです。王都を相手に、辞する気はないと。それでも、ついには屈せざるを得ない状況に追いやられ、渋々、側近の任から外れる事となりました」

「…………」

「十一のオーディリックに何ができましょうか。オーディリックからすれば一年にも満たず。その任期で重役を取り上げられたのですから、さぞや無念だったに違いありません」

 パリスが離れてしまう事で、ディクシードは、公務以外の外出が減り、事実上の軟禁状態となった。力を石によって抑制され、面会も王都によって制限され、許されたのは木剣を持つ事だけとなる。城の中でさえ、稽古用の剣しか持てなかったのだ。

「あの、ヘインズさん……一つだけ、聞かせて下さい。当時の殿下の様子を……」

 できるだけ口を挟まず聞いていようと思っていた小町だが、どうしてもそれが知りたかった。彼が、どのような様子であったのかを。

 もともと口数は少ない人だと思うけれど、主張はする人だ。でも、その頃の彼は九つで……

 その時の彼は、どんな様子だったのか。嫌だという主張は、しなかったのだろうか。

 小町が尋ねると、ヘインズは眉間を深く寄せ、目を伏せてしまった。言い難いほど、その頃のディクシードは消沈していたのだろうか。

「……傀儡と……傀儡のようであったと」

「……傀儡……」

「はい。ブライバスが申しておりました」

 傀儡。それは、言いなりになる人形の事だ。操り人形と言うべきか。

 王都によって、そんな生活を強いられていたのだ。

 いつもシャンと背筋を伸ばし、王子様然と凛と立つ彼に……そんな過去があっただなんて……

 小町はたまらず、胸元のシャツを握りしめていた。

 痛む。ひどく胸が痛む。

 そんな小町を見やり、ヘインズは彼女の肩を労わるように何度も撫でた。上下する肩は薄く頼りなく、俯いた表情は見えずとも、心情は察せられる。

 だからかもしれない。本当なら、第一王子の境遇の、“核”たるものを話さねばならないはずが、彼女に救いを提示してしまった。少しでも気分が安らぐならと、気休め程度の救いを。

「コマチ殿。私の主人――ブライバスが、殿下の後見を務めていたのは、御存知でしょうか?」

 すると小町は驚いたように顔を上げ、しばらくヘインズの目を真っ直ぐに見つめ、静かに頷いた。まるでその目は、ヘインズの内心を見透かそうとするかのような、そんな眼差しだった。

 ブライバスが言った“誠実を求める目”というのは、この目のことだ。第一王子が戦地に送り込まれたと話した時は、更に強い眼差しを向けられていた。

 果たして、今の自分が、この目に答えられるのだろうか。見返しながら、ヘインズは諦めた。

 ここまでだ。ここから先は、主人に任せよう。私では役不足。

「ブライバスには、耐えかねたのですよ。あまりの状況に」

「お察しします。だから、後見の名乗りを挙げられたのですね?」

「はい」

 王都での惨状に御仁は心を痛め続け、パリスの一件が決定打となった。できる限りパリスをと口添えしたにも関わらず、見限られたのである。もはや王都は、ディクシードの力を恐れるあまり、誰の声にも耳を貸す余裕がなくなっていた。

 とうとう御仁は状況の打開を試みる。反発の声を顧みず、動き始める事となる。ディクシードの後見を務めることで、九つの少年の行く末を救済しようと。

「あらゆる反発の声が挙がりましたが、ブライバスには、これまでの功績と人脈、民からの信頼がありました。しぶしぶ王都は呑むことになったのです」

 有事の際には、ディクシードの力を王都に預けるという条件付きで認められた。それはつまり、内戦や近隣国との軋轢が深まれば、また戦地にディクシードを送り込むという条件である。

 不本意とはいえ、当時のディクシードが置かれた惨状よりは、ずっとましだと思える内容だった。王城での軟禁生活よりはいくらもましだと言い聞かせ、御仁はディクシードが十歳を迎えたと同時に彼を引取り、マルセナの城に移り住み、我が子同然として育て始めた。

 こうして、国王と正妃のみならず、ブライバス卿がディクシードの後見に名を連ねた。

「私が殿下の近衛のような役割を担っていたのは、その頃なのですよ。ブライバスの騎士として一度は忠誠を誓った身ではありましたが、ブライバスは、殿下への忠誠をも望んでおりました。拒むはずもありません」

「…………」

「殿下が十三になられ、再び王城に上がるようになるまでの、わずか三年ほどの事です。その時にはオーディリックが側近として、再び殿下の傍に付く事は決まっておりましたし、既にその側近が動き、幾人かの近衛候補も名が挙がってさえおりました。ですから私としても、殿下の傍を離れる、ちょうどいい口実となったのです」

「口実……ですか?」

 なぜ、そんな言葉を使うのか。これまでのヘインズの話は、ディクシードへの畏敬と、慈しみを感じられるものだった。それを、どうして“口実”と言うのか。

「荷が重かったというのが本音でしょうか。それに……どうしても、殿下を許せなかった」

 ディクシードの事を……許せなかった?

 どういう意味なのだろう。

 再び感じた疑問ではあるが、小町は口にしなかった。ヘインズの口調が、遠い過去を振り返っているような、そんな口調だったからだ。

「失礼しました。つい個人的な感情を口走ってしまいました。お気になさらないで下さい」

 言外に彼は、聞いてくれるなと言った。ヘインズがディクシードを許せないのは、個人的な感情であって、踏み込んでくるなと。

 小町も頷き、彼らの間で何があったのかは触れなかった。何があったにせよ、彼はディクシードの傍を離れる決断をし、御仁はそれを認めたのだ。だから彼は、本来の主人の下にいる。

「第一王子付の近衛という職が、初めて王都に認められたのは、先の理由から、オーディリックの働きが大きいのです。そればかりか、ブライバスの手を借り、三十名もの騎士を揃え、現在の近衛の体制に近いものを築いたのですから、他でもないオーディリックの功績と言えましょう。レイゼン殿、ベン、オズイク、アントネリー。現近衛騎士の年長者は、当時は若さゆえに、一人としてそこには名がありませんでしたが、候補として残されていました。七年前にブライバスが隠居を宣言し、近衛の面々が見直される運びで、そこに彼らが含まれる形となり、ひいては現在の土台となったのです。私が殿下のお傍にあった頃は、わずか五名ほどの騎士が同じ任についていただけだというのに、すっかり体制が整ったのですよ」

 むろん御仁の兵から選抜された騎士でしたから、皆有能ではありましたが、とヘインズは付け加え、近衛の土台を築いたパリスの手腕を指し、本当に見事だったと締め括った。

 あの男は、殿下の側近を辞さねばならくなった時、その時すでに先を見据え、再び同じ主君を仰ぐべく、密かに動き続けていたに違いありません、と。

 小町は、パリスの忠誠心の深さをそこに垣間見たような気がした。彼の並はずれた“ディクシード中心主義”は、その過去から始まったのではないだろうか。

「コマチ殿。あなたは先だって、子供でさえ知っている話ではないのかと指摘されましたが、仰る通りです。殿下の成し遂げられた偉業は、親が子に語り、子が子に語り、更にその子がまた子に語り……そうやって、永遠と語り継がれる話となりましょう。しかし民は、王都の思惑など知らぬのです」

 そう言われただけで、小町はヘインズの懸念を察していた。彼は、釘を刺しているのだ。王都に関する事柄に対して。

「軍内部でも然りとお考えください。殿下と共に剣を振るった武将達は、その話を部下に語り、その部下が当時の戦況を知らぬ新兵に語り、新兵が次代の新兵に語り継いでゆくでしょう。ですがそこに、王都の思惑が添えられる事は決してありません」

「…………」

「あなたは国守のお客人。それも国外からのお客人でありながら、我が軍の中枢に身を置かれていらっしゃいます。本来ならばあなたのような方に、王都に不信を抱かせるような話は避けるべきと承知してもおります。それでもなお言わずにはいられなかったのは、あなたという方に知っておいてほしかったからです。天真爛漫を絵に描いたような方だからこそ、殿下に最も近い場所におられる方だからこそ、この国の――殿下の置かれている立場というものを知っておいてもらいたかった」

「……はい」

「明日の討伐を目前にした今、僭越ながら、あなたに願う事は一つです。殿下の孤独は計り知れずとも、王都の件は、あなたの胸に留め置いていただきたい」

「…………」

 孤独なんてものではない。

 小町でさえ、見知らぬ地での孤独を感じている。でもディクシードのそれは、そんなものではないのだ。今現在も王都との成約に縛られ、孤独を感じているはずで……

 そればかりか当時の彼は、幼いながらに、想像もつかない寂しさを味わっていたに違いなかった。

「聞いてよかったと思っています、ヘインズさん。知らないままでいるより、ずっといいと」

「…………」

「でも……だからといって、王都への憤りは拭えません。不信感も、不快感も拭えません。彼は、九つだったんです」

「コマチ殿、それは――」

「分かっています。王都にも、優先させなければならない事があったというのは、ちゃんと理解しています。表立って批判するつもりはありませんし、他国民の分際で、そんな事を公言するつもりもあせん。でも……でも、彼の心境を思うと……どうしても胸が詰まるんです」

 これまでディクシードが言った数々の言葉を思い出し、小町は知らず拳を握りしめていた。

 彼が王都を指し、“強欲の塊ども”と称した事を覚えている。あれは、小町にたぬき寝入りをさせていた時だった。吐き捨てると言うよりも、それどころか、単調に紡がれた抑揚のない言葉だった。だからこそ余計に、小町の中に残っている。

 あの言葉には、いったい、どんな想いが含まれていたのか。

 忌々しさ、やりきれなさ、憤り……

 いったい、彼の、どんな想いが込められていたのか。

 

 ――他者から見た私の力は、罪でしかない。

 ――私にできる事は限られていると、お前にそう言ったはずだ。

 ――お前の言う象徴こそが、私に与えられた役割だ。


 思い出す言葉は……どれもこれも単調で……

 なのに……

 それなのに、彼の想いを知るには簡潔すぎて……

 たまらないのだ。

 たまらなく、小町の胸を締め付けてくる。

 ギリギリ、ギリギリと。

「公言はしません。批判もしません。本当は殴り込んでやりたいけど、我慢します。ですがそれは、殿下が――ディックスが望まないからです。王都の意思に添うからではなくて、彼の意思に添うからです。ディックスが反発を望まないのであれば、私は、彼の意思に従います」

 ディクシードはいつも、小町の意思を汲み、寄り添い、支えとなってくれていた。家族でも恋人でもない人なのに、最初からそうだった。

 たとえ好意というものがその裏にあるのだとしても、それでも、常にそうしてくれていた。

 なのに自分は、何も知らず、彼の意思を汲めず、寄り添うことも、支えになる事もできないでいる。

 恋人じゃなくても、家族じゃなくても、せめて……せめて、何かできる事があるはずなのに。

 知ったからには、できる事がある。

 彼に添うために、できる事が必ずある。

「私は、道さえ分かれば、自分の国に帰ります。だから、それまでのお約束しかできませんが、彼が耐えろと言うなら……胸の内の不快感は、箱の中にしまって鍵をかけておきます。お聞かせできないような罵詈雑言と一緒に」

 王都がディクシードにした事は、彼の中で消える事など決してない。

 彼の力を恐れたとヘインズは言ったけれど、王都が恐れたのは、紛れもなく謀反なのだ。だから有能な人材を退け、人望を阻み、人脈という武器を持たせないようにした。

 彼が謀反を起こす事を恐れた。

 あの人は……そんな人ではないのに……

 たったの九つだったのに……

 例え王都の強欲どもが目を覚まし、彼に詫びると言ったとしても、彼の失われた時間は戻ってこない。

 なのに彼は、表だって王都への不満を口にする事はなかった。言葉の端に滲ませていた事だって、数えられる程度だ。

 不条理だと、確かに感じているはずなのに。

 反発を望んでいない……

「ディックスが、今、この状況に居ることを許しているなら、私はそれに添うだけです。私のような者がお約束できるのは、その程度ですから」

 小町の返答に終始驚いていたヘインズは、やがて、ゆっくりと頷いた。あなたの意思は、しっかり聞き届けたと言うように。

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