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二輪の騎士  作者: 小町
第一章
25/84

第24話 剣の重み

「起きろ、ディクシード」

 呼ばれたディクシードは額に宛がっていた腕を下ろし、ゆっくりと起き上がった。

 声の主である聖獣は、泉の際に腰を下ろし水底を見下ろしている。歩み寄ったディクシードは、同じようにして泉の底へと目を向けた。

 透き通る水をなみなみとたたえた泉は、水面に月の姿を写しだしている。その下を注視すると、極彩色の石を敷き詰めた水底に、全裸の少女が横たわっていた。

 背丈よりも長い金色の髪が緩やかに広がり、さながら黄金の棺のように見える。棺に横たわる少女は、薄い胸元で両手を組み合わせ、目を閉じていた。

「魔女の力とは恐ろしいものだ。魂も宿らぬ形代だというに、未だ成長し続けておる。髪もあの通りだ」

「……あれに移すのか」

「生憎と逆だよ、ディクシード。形代に移したところで血は通わんのだそうだ。……あれを憑けるのだよ。そうして肉に血を覚えさせるのだと言うておったわ」

「できるのか」

「そのために奪った力だ。相性は悪いが、成しえてみせよう」

 答えた聖獣にディクシードは頷いてみせた。

「あのままでは馴染まぬだろうて。少々手は入れねばならんが、わしの力が及ぶかどうかはやってみねば分からん。お前の好みを言うてみるがいい。一つ試してみよう」

「…………」

「黒い瞳に、黒い髪か?」

 問われたディクシードは、無機質な目で一瞥しただけだった。

「つまらん男だな、貴様は」

「余計なことをするな、サーベル」

「分かっておるわ……。さてな、ディクシード。わしはこの通りの体でな、禁忌による傷は増える一方だ。愛しい娘の形代は、貴様がその手で引き揚げてこい」

「…………」

「石もいくつか拾うてこい。いずれ役に立つ」

「…………」

「何か言いたいのなら言うてみるがいい。言っておくが、わしは大層な仕事をせねばならん。その横で貴様は眺めるしかできんのだ。少しばかり役に立て、若造風情が」

 聖獣が言い終わると同時にザバンと飛沫があがり、水面に波紋が広がった。水が足元近くまで溢れてくる。

 片目を隣へ向ければ、いるはずのディクシードはおらず、脱ぎ散らかされた男の衣服が落ちていた。

 慌ててそれらを咥え、聖獣はのっそりと腰をあげて毒づいた。

「再三の呼びつけにようやく応えたかと思えばこのザマか」

 ゆっくりと首を巡らせ、眠る小町を振り返った。

 その眼には憐れむような光が宿っていた。

「神は、なぜそなたを苦しめるのか……魔女が何をしたというのか……なぁ、小町よ」


 ◇◇◇◇◇◇


 フワフワとした浮遊感から抜け出す直前、小町は違和感を感じた。

 その違和感が、痛みになって体中を駆け巡る。

 関節が重く疼き、強烈な痛みが頭を締め上げた。

 目を開けたくとも痛みに邪魔され、顔を歪める事しかできない。瞼の向こうの明るさを、うっすらと捉えるだけだった。

「コマチ、薬だよ。飲めるかい?」

 ケヴィンの声が聞こえたが、意味を理解する間もなく冷たい物が口の中に流し込まれた。その途端激しくむせてしまい、異物をことごとく吐き出していた。

「姉さん、どうしよう!? 吐いちゃったわ!」

「見れば分かるわよそんなこと。ちょっと落ち着きなさいよ」

「だって……」

「いいから、フレデリックに言ってタオルをもらってきて。ケヴィン、もう一度飲ませてちょうだい」

「姉さん、また吐いちゃったらどうしよう!?」

「うるさいわね。大丈夫だから、早くタオルを取ってきなさい」

 慌てて走り去る靴音が聞こえ、ドアの開閉する音が頭の痛みを増長する。

「ケヴィン、お前、薬嫌いだろうが? 無理するな」

「そうだよ、アリッサに頼んだらどう? 女同士なら気にならないだろ」

「冗談言わないでよ。何でこの子と……」

 どうやら自分は体調を崩しているらしく、ケヴィンに薬を飲ませてもらっているようだ。

「平気さ。彼女の為なら僕は何でもできるんだ」

「はいはい、スーパーマン。惚気はいいから、さっさと飲ませて」

「姉さん、タオル!!」

 ジェニファーの騒々しい声が頭の芯に響く。相変わらずの金切り声だ。

 そう思う余裕ができたのも束の間、唇に温かい感触が触れ、苦い液体が口の中に入ってきた。

 薬だ。

 今度は吐き出さずに飲み下す事ができた。温もりが離れてすぐ、ゲホゲホと咳き込む声がする。

「お前がむせてどうすんだよ!?」

「ケヴィン、ほら水。僕も粉薬って苦手なんだよなぁ」

「……スーパーマン、あんたの痩せ我慢、見苦しいわ」

「私には素敵な光景に見えるけど。愛する人の為にって、理想じゃない?」

「あんた、お母様の妄想癖が移ったんじゃないの?」

 わいわいと騒ぐ周囲の声が、頭の中を掻き回している。

「好きに言ってくれ。僕は気にしないさ」

 間近から聞こえたケヴィンの声は、完全に不貞腐れていた。

 馴染みのある甘い香りが鼻先をくすぐっていく。

 幾分痛みに慣れたと思えば、睡魔が襲ってきた。

 また眠らなければならないらしい。

 多少の痛みは我慢するから、もう少し騒々しい皆の声を聞いていたい。

 しかし、その思いに反して彼らの声は遠ざかっていった。

「これで熱は下がるはずよ」

「そうだね、ひとまずは安心ってところかな?」

「ひとまずはね。問題は痣よ。お父様の目に留まってなければいいけど……」

「…………」

「…………」

「とにかく、熱が下がるのを待つよ。彼女には僕がついてるから。……ゆっくりお休み、僕の茨姫」

「……何で茨姫なのさ?」

「知るかよ、俺に聞くな」

 頬を撫でるケヴィンの手が心地良く、眠気を助長していく。

 そうして再び眠りの中へと入っていった。


 ◇◇◇◇◇◇


 目を開けると、ディクシードの端正な顔を見上げていた。

 なぜか彼の髪がしっとりと水気を帯びている。

 いつ見ても本当に綺麗な顔立ちをしている。濡れた髪がそれを際立たせているのだろうか。そんな事を思いながら、ぼんやりと眺めた。

 彼の向こうには巨大な月が浮かんでいた。まだ泉の周囲にいるらしい。

「起きたのか」

 視線だけを下げる彼は、いつもの彼だ。

 現実に戻る前に感じた、思い詰めたような雰囲気は既にない。

「……血がついてる……」

「私の血ではない」

 妙に頭がぼんやりするが、ディクシードの言わんとする事は分かった。彼の頬に薄くついているのは、聖獣の血だ。髪が濡れているのは血を洗ったからだろうか。

 そこでふと思った。

 確か、聖獣に寄りかかるようにして意識を手放したはずだが、なぜ彼を見上げているのか。

 頭の下の感触は……獣のものではない。

「……っ!」

 慌てて体を起こすと、掛けられていた白い上着がバサリと落ちた。ディクシードの騎士の上着だ。彼の膝を借りて寝ていたのだ。

 気持ちはありがたく思ったものの、ひどい目眩に襲われて礼を言うことができなかった。全身がダルく、思うように力が入らない。

 何とか耐えようとしたが、ディクシードに腕を引かれて再び彼の膝を借りる事になった。

 急激な揺れに視界がぐらつき、固く目を閉じて耐える。

「……起こして」

「断る」

「……起きたいの」

 目を開けられるなら、睨み付けているところだ。

「お前の生気をあれが食らった。休んでいろ」

「……あれって?」

「サーベルだ」

 意味が分からないが、ひとまず体を起こしたい。

 今度は目眩に襲われないよう慎重に起き上がる。しかし、またしてもディクシードに引き倒されていた。

「大人しく寝ていろ。生気を食われれば並の人間なら数日は寝込む。あれに食われたなら尚更だ」

「……ちょっと待って……気遣いは嬉しいんだけど、あなたの膝を借りられないわ」

「恋人を気にしているのなら、お前の罪悪感の問題だ。休んでいろ」

 普段は無口なくせに、こういう所はズバリと切り込んでくるのだからタチが悪い。

「その通りよ。分かってるなら邪魔しないで」

 口では偉そうな事を言ったものの、頭も視界も揺れに揺れている。

 何とか起き上がったはいいが、もたれる物がなければ座る事さえままならない。木々はたくさんあるというのに、立って歩けそうもない。

 何と情けないことか。

 目を閉じて思案していると、老人の忍び笑いが耳に届いた。

 何処かにあの聖獣がいるのだろう。

「国一の色男も形無しではないか。じゃじゃ馬とは思うていたが、調教は難しいぞ、ディクシード」

 じゃじゃ馬とは自分の事だろう。そう言われては、意地でも自力で辿り着いてやりたくなる。目的地は近くの木だ。

 這っていく気で両手を着いた途端、腰をすくわれ、突然の浮遊感に襲われた。激しく変わる視界に吐き気まで覚え、慌てて目を閉じ口を押さえた。

 ディクシードに担がれたのだ。それも荷物のように。

 抗議したくとも腹が圧迫され、口を開けば何が飛び出すのか分からない。

「お前の強情には呆れる。揺れるが我慢しろ」

 ディクシードは少し歩いた先で小町を下ろし、大木にその体を寄りかからせた。小町はというと、目眩と吐き気とを相手に格闘することになった。

「辛いか」

「……じっとしてれば治まる……ありがとう」

 頷いたディクシードは手にしていた騎士の上着を小町の肩に掛けた。

「生気を食われれば体が冷える。恋人には私から詫びよう。掛けておけ」

 そう言って、彼は少し離れた場所に腰を下ろした。

 どうやって詫びるのかと突っ込まなくても、建前で言っているのは分かっている。やはり思い遣る事ができる人なのだ。

 騎士の上着には、聖獣の血が染みを作ってしまっていた。

 そう言えば、あの獣の怪我はどうなったのだろう。揺れに気を付けながら姿を探したが、目に見える範囲にはいないようだった。

「あれは奥の様子を見に行った。楽になったと礼を言っていた」

 生気とやらを食らったというが、それであの傷が癒えるのだろうか。

「生気って何?」

 尋ねると、ディクシードは淡々と説明してくれた。

 魔族や聖獣、人、動物など、あらゆる命ある物は、生まれた時から生気というものを持っているのだそうだ。目に見えるものではなく、種族やその中の個体、もしくは個人でも大きさや性質が異なるらしい。

 病気になれば弱く小さくなり、失えば死を意味するのだと言う。

 命をとりまくエネルギーのようなものだろうかと、漠然と捉えることにした。大きさというのを容量と置き換えれば、何となく分かる気がする。

「生気が強い生き物って、聖獣とか魔族? 合ってる?」

「合っている。人と動物は同等だ。個体によっては抜きん出て強いものもいる。魔族は人や動物を食らうと教えたが、覚えているか」

「……ええ。聖獣は対価と魔族を糧にするのよね?」

「そうだ。魔族は血肉を好んで食らうが、同時に生気を食らっている。聖獣が魔族と対価を糧にしているのは、両者に強い生気が宿っているからだ。人や動物の生気は聖獣の腹を満たせるほど、大きくも強くもない」

 ふむふむと話を聞いていたが、対価にも生気が宿ると知って驚いた。人体の一部に宿るなら分かるが、物質にも宿るのだろうか。

 確認すると彼は頷いて言った。

 価値を置く物には、支払う者の“想い”という強い生気が宿るのだと。

 定義が漠然としすぎて、いまいち納得がいかない。

 どういうことだろうと、回転の鈍っている頭で考えようとしたが、ディクシードの言葉に遮られてしまった。

「稀に人や動物の中にも生気の強いものがいる。お前の生気も強い。相当にな」

「……私の?」

「さっきも言ったが、並の人間なら、聖獣に生気を食われれば数日は寝込むものだ。ましてや、あれは国を庇護する強大な力を持つ。聖獣使いでも敬遠する高位の聖獣の長だ。そんな聖獣に生気を食われても、お前は数時間寝た程度でこうして話しをする事ができる。生気が強い証だ」

「……そうなの?」

 そうは言われても、全く実感がない話しだった。

「お前の体には相当の負荷がかかっているはずだ。聖獣が魔物のように理性を持たない種族なら、お前は今頃死んでいる。危機感を持て」

 サラリと彼は言ってのけたが、小町はギョッとして目を剥いた。

 夢の中でも死ぬのはごめんだ。

「物騒なこと言わないでよ」

「事実だ。しばらくは大人しくしていろ」

「……言いたいことは分かったけど、動かないのって退屈なのよ。そう言えばさっき、聖獣使いがどうのって言ってたけど、それって聖獣を使役する人って意味でしょう? そんな事ができるの?」

 普段なら、このあたりで彼は答えなくなる。答えるのが面倒なのか、話し疲れるのか。どちらにしろ質問責めにしても答えてくれなくなるのだが、今日は気分がいいのか答えてくれた。具合の悪い自分に付き合ってくれているのかもしれない。

 生気が強いとされる者が対価として生気を差し出せば、聖獣はそれに応えて望みを叶えるというのだ。生気を利用して聖獣を使役する者を、聖獣使いと呼ぶらしい。

 ということは……生気が強いと言われた自分も、聖獣使いとやらになれるのではないだろうか。

 食われてしまった生気は対価ということになり、望めばバイクがポンと手に入る。もう少し生気を差し出せば、ヘルメットも出してはくれないだろうか。

 燃料まで供給してもらえるなら、死なない程度の生気を差し出してもいい。

 そんな事を考え瞳を輝かせる小町を、ディクシードが一瞥した。

「何を期待している。聖獣使いが使役できるのは下位の聖獣だけだ」

 続けて彼は言った。高位の聖獣は気位も高く、生気を差し出したところで何も応えてはくれないのだと。

 小町は内心ガックリと項垂れた。

 あの聖獣は高位の聖獣。それも長だ。そして下位の聖獣というのは力の弱い聖獣のこと。彼らには、どんな望みでも叶えてしまえるほど強い力はないそうだ。自然の力に働きかけるもので、得意分野に力を発揮すると言う。

 それでは到底バイクには行きつけない。そういった事ができるのは高位の聖獣だけなのだ。

 肝心の彼らは、垂れ流しの生気になど価値を見出だしてはくれないらしい。

 食われ損で終わったという事になる。残念だ。

「聖獣使いに魅力を感じているのかもしれないが、お前には無理だ」

「……はっきり言うわね?」

「あれらの力の使い道が何か分かるか」

 ジッと小町を見据え、ディクシードが問い掛けた。

 無表情な顔からは何も読み取れないが、考えろと言われている気がした。

 自然の力とは、風や火や水といったものを指しているはず。火事なら水が役に立つ。寒い場所で火を使う。しかしそんな単純な話ではないのだろう。

 彼が言いたいのは、もっと次元の違う話だ。

 そう思った時点で答えは出ていた。

 この国には軍がある。

 おそらく、戦争も……

「……軍事利用」

「そうだ。お前に人は殺せない。諦めろ」

 少し考えれば分かることなのに、軽く捉えてしまっていた。何とも言えない気分になる。

「私……安易に考えてた。ごめんなさい」

「お前は、こちらのことを何も知らない。順に知っていけばいい」

 小さく頷いた。無知である事に危機感が芽生えていた。

 夢だからと楽観的に捉え、深く追求しなかった事が山のようにある。そのままでいいと言い切れない場所に、既に立ってしまっている気がする。

 俯く小町を一瞥して、ディクシードは淡々と言葉を紡いだ。

「お前の体には、あれが手を加えてある」

 一瞬何の事かと思ったが、ここに来た目的を思い出した。仮の体を手に入れるためだった。

「対価は本当に必要なかったの? あなたは何も払ったりしていない?」

「払っていない。お前が寝ている間に、あれが済ませた。便乗して生気を食らったようだ。その体に慣れるまでは違和感を感じるはずだと、あれは言っていたが……」

「気分も悪いし、目眩もするし、力も入らないし、体もダルいわ。違和感だらけよ」

「だろうな」

「…………」

「容姿を変えてある。髪と瞳の色は大きく違う。お前の容姿では不都合があるからだ」

「……はっ?」

 容姿が不都合?

 何を言われているのか分からなかった。

 そんな小町を放置して、ディクシードは話を続けていく。いつものように淡々と。

「こちらではお前のような容姿の女を、魔女と呼び忌み嫌う風習がある」

 彼の話によると、この世界には黒い目と髪を持つ人種は存在しないのだという。だが古来から、その容姿を持つ女性を魔女として扱う逸話が語りつがれ、忌むべき存在だとされてきたそうだ。

 強大な力を使う恐ろしい魔女。そんな逸話が殆どだと彼は言った。

 過去には、黒に近い髪をした者も稀に存在していたようだが、周囲から魔女だと蔑まれ、迫害を受けるケースばかりだったそうだ。国を巻き込む騒動にまで発展し、悲運な死を遂げた者もいると締め括る。

 ……魔女狩りだ。

 歴史の中の偉人にも、そんな不名誉な嫌疑を掛けられ、命を落とした者がいたように思う。ならば、仕方がない事なのかもしれない……

 母譲りの黒い目と髪は、とても気に入っている。

 それなのに、その面影を消してしまったと聞いても、それほどショックを受けていない自分もいる。

 思い出が薄れると、母に対する想いまでも薄れてしまうものなのだろうか。

 とことん薄情な娘だ……

「お前の生気は強い。直に魔女だと言われるようになる」

「……そう……だからあなたは、急いでいたのね……」

 綺麗に結われた髪を一束落とし、マジマジと眺めてみる。

 色素の薄い金色の髪だった。

 自分のものではないように思え、ツンツンと引っ張ってみれば痛みはある。でも実感はない。

 瞳の色は何色なのだろう。

 この国の住人達と同じような碧眼なのだろうか。

 鏡を覗いても、きっと他人事のように自分の姿を眺めている気がする。

「見るか」

 泉に視線を投げたディクシードが、ツカツカと歩み寄ってきた。

 もしやまた担ぐ気ではないかと慌てて首を振り、激しい目眩に襲われた。全く学習できていない自分にも嫌気がさす。

 木に頭を預けて目眩が治まるのを待った。

「城に戻れば鏡がある。見ておくといい」

「お城……そうね、戻るのよね……」

 すっかり忘れていた。自分の欠点について考えるのは後だ。今は他にしなければならない事がある。

「さっき……私が眠ってた時、この体はどうなってたの?」

「一時は消えていた」

「……一時?」

 詳しく尋ねると、仮の体を与えられた後、少しの間消えていたらしい。そして再び現れ、寝こけていたそうだ。

 もしやこの仮の体は夢の世界に留まり続けているのではないかと期待したが、残念ながらそうではないらしい。他者に認識されるようにはなったが、問題は依然として山積み状態というわけだ。

 手探りなのは仕方がないが、ひどく足元が不安定に思えた。

 例えるなら、揺れる吊り橋を渡っていかねばならないような……

 そんな不安が膨らんでいく。

 小町はそっと息を吐いて、膨らみかけた不安を追いやった。不安ばかりに気を取られている場合ではない。

 とにもかくにもディクシードの協力が必要不可欠だ。不安を解消するためにも、これまで放置していた現状の穴を埋めなければならない。

 しっかりとした情報が必要だ。

「とりあえず、お互いに自己紹介しましょう。何よりもそれが先決だわ。あなたが名乗ってくれないから、私も意地でも名乗らないつもりでいたけど、そういうわけにはいかないでしょう?」

「…………」

 切り出すと、正面で突っ立ったまま、ディクシードは黙り込んでしまった。

 人を強情だというが、自分はどうなのだ。

「これでも、ある程度の予想はしてるのよ。平凡な私が、こうやって馴れ馴れしく話しをしてはいけない立場の人なんでしょう?」

「…………」

 しばらく待つと、ディクシードはようやく口を開いた。

「ディクシード・スカラ・グランセージ。この国の王族だ」

 やはり王族だった。

 でもまだ十分ではない。もう少し明確な情報を得なければ。

 小町は、彼の上着を傍らに置き、頭が揺れないように気をつけながら立ち上がった。

「動くなと言わなかったか」

 すぐさまディクシードが腕を伸ばしてきたが、邪魔をするなと制して息を吐く。思うように体は動かないが何とかなりそうだ。

 片足を下げて正式な礼をしてみせた。王族相手に相応しい礼を。

 この国で通用するかどうかは分からないが、今の自分にできる最高の礼なのだ。

「小町・ダヴィ・エインズワースと申します。母国では、私の養父は伯爵位を継いでおります。……今更だけど……お会いできて光栄ですわ」

「顔を上げろ。敬えと強要する気はない。今まで通りに振る舞えばいい。私もそうする」

 それを聞いた小町は、ニッと笑って見せた。

「そのつもりよ。返事ぐらいしてもらいたいもの。……ディックス、明確なあなたの身分を教えて。王様だと聞いても、態度を変えないと約束するわ」

「…………」

「お願いよ、ディックス」

「……第一王子だ。肩書きの上では王位継承者の筆頭になる。だがあくまでも肩書きだ。私にも、この国の重臣にも、そんな気は更々ない」

 ……王子……それも、王位継承者の筆頭……

 予想通りというべきか、予想以上というべきか。

 しかし、国の重臣に彼を王位につける意思がないというのは、いったいどういうことなのだろう。

 そうは思うが、その気がないという言葉には共感を覚えた。

 小町も伯爵令嬢としてそれらしく振る舞う努力はしてきたが、自覚はないからだ。だが肩書きというのは一生ついて回る。この王子様も逃げ出してしまいたいと思ったことがあるのだろうか。

 正面に佇むディクシードは、宝石のような瞳を真っ直ぐに向けてくる。第一王子だと告げた事で、どんな反応が返ってくるのかと不安に思っているのかもしれない。

「分かったわ。ねぇ、座ってもいい? 限界みたいなの、私」

 返事もろくに待たず、小町は背中の大木に寄り掛かるようにしてズルズルと腰を下ろした。

 両足が震え、体を支えていられなくなった。

 まるで生まれたばかりの子鹿のようではないか。いや、じゃじゃ馬だと言われたのだから子馬と言うべきか。

 そんなバカげた事を思いながら、大木に背を預けて頭も預ける。体に上手く力が入らない。頭の中にも靄がかかっている。

 こんなことで大事な話ができるのだろうか。

 気だるげな小町の膝に、ディクシードが上着を掛けた。

「ドレスとやらを着ていると、お前はそう言わなかったか」

「……ええ、ドレスよ」

 頭を預けたまま行儀悪く答えたが、そんな態度に彼は何も触れてこなかった。

「夜会で着るものだと聞いたが……それがか」

「どう見てもドレスだと思うけど……あなたには何に見えるの?」

「…………」

「…………」

 ジッと見据えてくる彼に、小町も負けじと睨み返した。睨まれているわけではないのだろうが、何が言いたいのか分からない。

「お前の着ているそれは、情婦が着る物だ。客引きの女は特に、肌を見せる物を着たがる」

「情婦って……」

「男の夜の相手を生業とする女の事だ。娼婦とも言うが」

 説明を求めたつもりはなかったが、ディクシードは淡々とそう言った。

「ディックス。このドレスはね、義姉がパーティーの為にデザインしてくれたものなの。情婦の衣装なんかじゃないわ」

「こちらでは通らない。露骨に肌を出す女は情婦だけだ。加えて言うが、黒い物は魔女を象徴するとされ、忌まれている。好んで身に付ける者など、魔女を崇拝する異端者ぐらいのものだ」

 抑揚のない口調で告げたディクシードは、最後に一言、上着を着ておけと言って口を閉ざした。

 小町は黙って聞いていた。

 彼の言い分は分かる。この世界の風習なら仕方がないとも思う。

 しかし、無知である事を素直に謝る気にはなれなかった。謝れば、義姉の想いが詰まったドレスが、情婦の衣装や魔女の象徴だと認めてしまうような気がした。

 それでも、言われた通りに上着を手に取り、目眩に気を付けながら慎重に袖を通す。彼が言ったように体が冷えているから着るのだと、自分自身に言い聞かせながら。

 ディクシードは近くの木にもたれかかり、その様子を見ていた。

「お前には部屋を与える。必要な物は用意しよう」

 小町は、沈んだ気持ちを追い出すかのように大きく息を吐き出した。

 気持ちを切り替えなければ。問題は一つとして解決していないのだから。

 ディクシードと話をするにしても、彼がどこまで情報をくれるかは分からない。ここでの自分の立ち位置も気にかかる。

 そして、ディクシードと自分の距離感についてもだ。その点に関しては、はっきりさせておかなければ。

「ありがとう、とても助かる……でも第一王子様が女を連れ帰ったって、変な噂になるわよ?」

 多少申し訳なく思いながらも、それでもいいのかと確認の意味も込めて尋ねると、案の定の返事が返ってきた。

「客人に部屋を与えるだけだ。好きなように言わせておけ」

「ねぇ……もう少し自分の醜聞になる事を、ちゃんと考えた方がいいと思うけど」

「…………」

「それに恋人だって噂になれば、厄介な事になるはずでしょう? 放っておいたら、そのうち妃候補だって言われるようになるかもしれないし……。そうなったら、あなたに王位を継ぐ意思がなくても、周囲が黙ってないんじゃないの? 継承者争いっていうのが、あるんでしょうし」

「どこでそんな知識を仕入れた」

 知識もなにも、誰もが想像のつく話だろうに……

 それとも、この国の市井の人達は、国の内情には無知なのだろうか。いくらなんでも、そんなことはないだろう。

「私が読んでる神話や童話の本には、その手の話がたくさん書かれてるわ。継承権を放棄しても命を狙われる王子様だとか、巻き込まれて死んでしまう妃候補だとか。小さな子供にも理解できるように、分かり易く書かれてる物もあるの。……話が逸れたけど、否定しないって事は図星でしょ?」

 協力してもらう身としては、こんなことを思うのが間違っているのかもしれないが……

 はっきり言ってウンザリだ。

 ケヴィンとリチャードの兄弟間の確執だけで、既に手に余る状態なのだ。

 夢の中でまで兄弟喧嘩に首を突っ込む気などない。その上、目の前の青年は王子だ。そこらの兄弟喧嘩とはわけが違う。

 命まで狙われ兼ねないともなれば、夢といえども願い下げというやつだ。

 しかしそれ以前に、妃候補に担ぎ上げられるのだけは絶対に避けておきたい。

 自分の婚約者は、ケヴィンただ一人なのだ。

「否定はしない。どう転んでも、私とお前の関係は誤解を与えるものだろう。危険が及ぶ可能性もある。だが、必ずお前を守ると約束する」

 こんな奇妙な状況でなければ、美しい王子様に言われるセリフとしては、この上ない口説き文句だと思う。

 ミーハーな義姉達ならば彼の株をグンと上げること間違いなしだ。だが生憎と、彼にも自分にもロマンスの要素など微塵もない。

「あなたなら守ってくれるとは思ってる。きっと、相応の力もあるんでしょうし……。でも私は、妃候補になる可能性を潰しておきたいの」

「……恋人か」

 分かっているなら聞いてくれるなと言ってやりたい。

「そうよ、私の罪悪感の問題よ。だとしても、婚約者扱いされるのは避けたいの。恋人と誤解されるのもね。将来を約束する相手は、夢の中でも彼だけでいい」

 さて、どうしたものか。

 この夢から逃げ出したくとも、それができない。

 望んでもいないというのに夜になり眠ってしまえば、ディクシードの近辺で目を覚ます。その上、姿が見えれば魔女か恋人か妃候補扱い。

 いったい何だというのだろう。

 夢の中なのだと流されてしまえれば簡単な話なのだが、そうできない自分の性分も恨めしい。

 とにかく、ディクシードの周囲の人達に恋人だと思われないように振る舞う必要がある。パートナーとして不釣り合いだと思わせなければならない。

 自分の株を下げるには……

 無知で、したたかで、尚且つ奔放に振る舞うのが理想だ。まさに素の自分ではないか。

 そう思った時、先程までの会話にヒントを見出だした。

「今更だけど、私、あなたは独身だと勝手に思ってるの。合ってる?」

 相変わらずの無表情で泉を見ていたディクシードは、小町を一瞥して頷いた。

「婚約者とか恋人とかいる?」

「いや」

 それならば問題無さそうだ。

 あとは、国として王子の女性関係が、どこまで許されているかだ。王が側室を許される場合が多いとは思っているが、王子にはどうなのだろう。

「もう一つ教えて欲しいんだけど、この国の王子様って、夜のお相手を城に呼びつけたり、部屋を与えたりするものかしら?」

 問うと、彼は黙り込んでこちらを見据えてくる。素知らぬ顔で答えを待った。

「何を考えている」

「いいから答えて。そういう事は認められてるの?」

「認められている。情婦だと騙る気か」

「そんな事しないわ。私は情婦ですだなんて、口が避けても言わない。普段通りに振る舞うつもりよ。……でも、きっと私はそんな目で見られるようになる。この国の常識なんて知らないもの。夜な夜なあなたの周りをうろつく非常識な女。それが一般的な見方でしょうね」

「好きに言わせろとは言ったが、お前の醜聞なら話は別だ。お前を指してそう呼べば、それは蔑む言葉になる。私はお前を情婦だと認めるつもりはない」

「私だって認めないわ。それに婚約者がいるって、はっきり言ってやるもの。……でも誰も信じない。だから私は否定もしない。だって、そういう目で見られた方が都合がいいもの。色気も足りないし胸の厚みも足りないけど、成長中って事で目を瞑るわ」

「それなら妃候補になれ。私の傍にいたところで誰も文句は言わないだろう。近衛を付けることもできる」

「ディックス、それじゃ意味がないの。これは妃候補になるのを避ける為の提案なのよ。私は、あなたの恋人にも妃候補にもならない。夢の中だからって、彼を裏切るような真似は絶対にしたくない。……本物の情婦のように扱えと言ってるわけではないのよ。噂なら問題ないでしょう? 情婦と言われようが、白い目で見られようが、私は一向に構わない。気掛かりなのは、あなたの醜聞だけよ。……でも申し訳ないけど、どうやって取り繕っても、それは覆しようがないのよ。あなたの傍で目が覚めるんだから、その原因が分からない以上は、打つ手がないもの」

「…………」

「ねぇ、ディックス。あなたには悪いけど、噂を否定しないでほしいの。私の素性を聞かれても情婦だと言えなんて言わないわ。でも否定はしないで。その噂を否定さえしなければ、いつもと同じようにしてるだけでいい。あなたの傍に私が現れたとしても、それはいつもの事。そうでしょう?」

「…………」

 ディクシードは終始ジッとこちらを見ていた。

 喋りすぎたせいか酸欠気味で頭がどうにかなりそうだが、平静を装って見返した。これは、提案とは名ばかりの駆け引きなのだ。

 だが相手が悪かった。駆け引きに重要な表情がないのだ。何を考えているのか全く読めない。ただ黙りこくってこちらを見ているだけだ。

 重苦しい沈黙が続いた。

 たまりかねた小町が、別の方法を考えようかと思い始めた頃、ディクシードがようやく口を開いた。

「言っておくが、城の中にも好色な男はいる。王族や権力者の中にもだ。情婦だと誤解を解かないまま放置すれば、相手をしろと言われかねない。その場に私がいるとも限らない。どう対処する気だ。お前は拒めるのか」

「……彼にも似たような事を聞かれたわ」

 リチャードとの事で、ケヴィンはパーティーの心配ばかりしていた。一人になるな、義姉達の傍にいろと。

 そうかと思えば、どこぞの誰かに口説かれやしないか、しつこく言い寄られたらと妙な事まで心配し始めたのだ。

「あんまり言いたくないんだけど、私、怪力なの。だから執拗な相手はぶん投げてやるって答えたわ」

「…………」

「たとえ王子様や王様でも同じよ。迫られれば、キッパリ断る。それでも言い寄るなら、大勢の前まで引きずり出して投げ飛ばしてやる。第一王子の情婦に手を出すんだから、大恥をかけばいいのよ。……この回答なら満点とれてると思うけど、ダメかしら?」

 これでもかと捲し立てた。屁理屈をこねるというのは、この鈍った頭では疲れが増すようだ。

「条件がある」

 そう言ったディクシードは、腰に差してあった短剣を鞘ごと引き抜き、小町の前に膝をついた。

「帯剣している相手に丸腰で歯向かうな。隠し持っていろ。執拗な相手には切りつけても構わない。王族相手でも怯まずにだ。牽制になる」

 鞘から短剣を少しだけ抜き、小町の前に突き付けた。

 それは、装飾の少ないシンプルなもので……紛れもなく、本物の剣だった。

 刃物を扱った事など、自慢ではないがナイフや包丁くらいのもので、相手は決して人ではない。

「剣なんて扱えない」

「覚えろ。夜でも稽古ならつけてやる。それが条件だ。呑めなければ、お前を妃候補として扱うよう指示を出す」

 それを聞いた小町は、すぐさま声を張り上げた。頭の芯が疼いたが、構ってなどいられなかった。

「人なんて斬れない! 脅されてもできないものはできないのよ、ディックス!」

 稽古をしたところで、人を斬るなどとできやしない。意思を込めてディクシードを睨み付けた。

「お前の身に危険が及ぶ可能性もあると言ったはずだ。情婦と言えど安全だとは限らない」

「でも――」

「聞け。ここはお前が育った場所とは違う。容易く人の命が失われる所だ。いくら私が気を配ったところで、お前自身が身を守ろうとしなければ命を落としかねない。人を斬る為の剣ではなく、己の身を守る為の剣だと割り切れ」

 目の前にある短剣の向こう、エメラルド色の瞳が悲しげに揺れていた。

 彼が表情を変えたのを見たのは……これで二度目だ。

「たとえ夢でも、相手と己の命を天秤にかけるような真似は決してするな。お前は、自分の身を守る事だけ考えていればいい」

 内心を見透かしたかのような言葉だった。

 人を斬るくらいなら、夢の中の命を捨てればいいと心の中で思っていた。

「剣を持て。身を守る為の努力をしろ。それが条件だ」

 訴えるような声だった。

「……あなたの言いたい事は分かる。……でも……無理よ」

「それならこの話は無しだ。お前を妃に望もう。私の妃を情婦だと蔑む者がいれば、迷わず私が斬り捨てる」

 脅しだ。脅しならまだいい。

 彼には剣を振る力も、人を斬る権限もある。

「そんなこと気安く口にしないで! 人の命なのよ!?」

 睨み付けた彼の表情が苦し気に歪み、それを見て息を呑んだ。

 指摘されなくとも、命の重みなど彼は分かっているのだ。

 きっと剣を持った時から……

「私は、お前を守ると約束した。命だけではない。お前の尊厳も守るという意味だ」

「…………」

「私のこの身は、騎士のように誓いを成してはならないものだ。約束しかできない。だが、それを守る為なら力を尽くすつもりでいる。お前も約束しろ。身を守る努力をすると」

 小町はギュッと唇を噛み締めた。

 夢の中で感じる痛みは、現実のそれよりも酷く痛んだ。

 自分の事ばかり考えていた。

 巻き込まれるのはごめんだと。

 そんな自分に対して、彼は己の立場をも顧みず、守ると約束してくれていた。

 少ない言葉の裏にある意味でさえ、理解しようとしていなかった。

 この世界で何も持たない自分を、これほど気に留めてくれる人はいない。そんな人が言うのなら、人を斬る事はできなくても、身を守る努力ならしてみよう。そう思えた。

 差し出した手に乗せられた短剣は、怪力なはずの自分の手に……とても重く感じられた。

「……努力なら……」

「それでいい」

 手の中の短剣を見ながら呟くと、ディクシードはゆっくりと立ち上がった。

「お前は神を信じないと言ったが、私もだ」

 ディクシードが私的な話を口にした事は一度もない。

 驚いて目を向けると、彼は月を見上げていた。

 白銀に輝く月は、相も変わらず、闇の中にどっかりと腰を据えている。

「民も城の者も皆、神に祈りを捧げて願いを託す。だが私は信じてなどいない。……矛盾していると思うか」

 それきり黙り込んだ。

 何故そんな事を口にしたのかは分からない。でもきっと彼は、月を睨んでいるのではないだろうか。

 そう思わせるような言葉だった。

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