ひどい……
金曜日。
西條が欠席で、クラスメイト達の揶揄いが無くて、静かだった。
休憩時間も西條が居ないお陰で静かに過ごせた。
昼休憩は芦田や谷治が姿を見せず、一人で昼食を摂れた。
大したことが起きない1日だった。
放課後になり、西條からお見舞いに来てほしいとあり、たいして行きたい訳ではなかったが、行かないと後が面倒くさいことになるのが予想できたので、行くことにした。
コンビニに寄って、お見舞いの品を購入して、西條家に赴いた僕だった。
西條家に到着し、インターフォンを押して、呼び出す。
『どちら様ですか?』
「中川です。美澄さん、居ますか?」
『……』
玄関扉が開いた。
「和希〜会いたかったよ〜!!」
「お見舞いなんてきたくなかった」
「私は病人なんだよ〜。優しくしてぇ〜」
「上がらなきゃ駄目か?」
「上がっていって。これ、命令!」
よれよれのルームウェアを着た西條が低い声で言う。
僕は渋々上がることにした。
彼女が飲み物を用意するのを見て、遮って、僕が代わりにしてあげた。
「優しい〜。和希ってばぁ」
ダイニングチェアに腰を下ろした。
「何をして欲しい?」
「セックス」
「駄目だ」
「ケチ!」
「今日は安静にしてろ」
「キスくらいはしてよ」
「後でな」
「……」
「ゼリーを食ったらどうだ?」
「食べさして」
「はぁー。手のかかるセフレだ」
「あぁーん」
僕はスプーンでゼリーを掬い、彼女の口に運んで、入れた。
「美味しい〜!!」
僕は彼女に食べさせ終わり、椅子から立ち上がった。
「もう帰るの?」
「帰らせない気だろ」
「うんっ!」
「キスしたいんだろ。部屋に行こう」
「はぁ〜い」
僕は彼女の自室に向かった。
僕が帰宅すると、谷治が来ていた。
「棗、どうした?」
「遅かったけど、どうしたの?」
「西條のお見舞いに行ってた」
「私とシてみない?」
「せっ……セックスをか?」
「うん」
「芦田に挑発されたから……そう誘っているのか?」
「そうじゃない……芦田さんは関係ない」
両腕を背中に隠している彼女。
芦田が関係していそうだが……
僕は谷治と身体の関係を持ちたくはない。
彼女の覚悟に責任を持てそうもないと思っているからだ。
西條を抱いているのは何故かと、彼女から聞かれたら、上手く言えそうもない。
「私と……シたいでしょ、かずくん?」
「棗とはシたくない。しなくて済むならしない」
「なんで!?私はかずくんのことが好きで西條よりは良いはずっ……なんで?」
「上手く……棗が納得出来るような説明が……出来ない。ごめん」
僕は谷治をどかして、中に入った。




