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才能屋  作者: ハル
1章 迷子の営業マン
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どこにも居場所がない

月曜の朝、目覚ましが鳴る。


また一週間が始まる。

同じ朝礼、同じ怒号、同じ孤独。


彼女もいない。

家族とも疎遠。


——俺、どこにもいないじゃん。


電車は、今日も人であふれていた。

隣の肩に押されても、誰とも目が合わない。

これだけ人がいるのに、誰も自分を見ていない。


満員電車に押し込まれながら、ふと涙が出そうになった。


でも、泣けなかった。

なぜか、涙が出てこなかった。


ただ、胸の奥が締め付けられるような感覚だけがあった。

会社の最寄り駅が近づくにつれて、胸の重さが増していく。

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