7/41
誰にも連絡できない週末
土曜日の朝、目が覚めたのは昼前だった。
寝覚めが悪い。
体は重く、頭も痛い。
昨日、彼女に振られた。
今日が休みでよかった。
会社に行く気力なんて、まるでない。
予定もない。誘われる友人も、行きたい場所も思い浮かばない。
大学時代の友人グループのLINEは、とっくにミュートにしていた。
たまに通知が来るが、開く気にもなれない。
——どうせ、みんな充実してるんだろうな。
開いたところで、惨めな思いをするだけだ。
最後にグループLINEを開いたのは、半年前。
そのときは「久しぶりに飲もうぜ!」という誘いがあったが、カケルは既読スルーした。
——行ったって、何を話せばいいんだ。
仕事の話? 恋愛の話? どっちも何もない。
それ以降、誘いは来なくなった。
結局、コンビニで買った冷凍パスタを温めて、テレビの前でぼんやりと座る。
画面には、有名企業の新社長が「挑戦」について語っていた。
「好きなことを突き詰めれば、道は開けますよ」
その言葉に、どこか他人事のような寂しさを感じる。
昔、自分も"好きなこと"があった気がする。
けれどそれが、いつ、どこで、どんな理由で消えてしまったのか。思い出せなかった。




