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才能屋  作者: ハル
3章 対話と気づき
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迷いの土曜

土曜の朝、目が覚めたのは、9時を過ぎていた。

天井を見上げたまま、動かない。


今度の土曜。

その日が、来てしまった。


約束をしたわけではない。

「考えておきます」と言っただけだ。


——行かない。

  行く理由が、ない。


そう決めたはずなのに、起き上がる気にもなれず、スマホを手に取る。

メモ帳は、開かなかった。


行かなかったとして、今日は何をするのか。

考えてみたが、何も浮かばなかった。

一日中、この部屋で天井を見ているだけだ。


布団を出て、洗濯機を回す。

冷蔵庫を開けると、飲みかけの麦茶しか入っていなかった。

昨日も、一昨日も、コンビニの弁当だった。


「食事です」

あの言葉だけが、頭に残っていた。


——食事だけだ。

  ただ飯を食うだけで、それ以上の意味はない。


誰に向けた言い訳なのか、自分でも分からなかった。


洗濯物を干し終えたとき、時計は11時を回っていた。

気がつくと、着替えていた。

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