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才能屋  作者: ハル
2章 才能屋との巡り会い
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終電

蛍光灯が、ひとつずつ消えていく。

吉田は、とっくに帰っていた。

田嶋課長も、「戸締まりは任せる」とだけ言って、先に出ていった。


最後の1件を切ったとき、終電の時刻が迫っていた。

走って、ホームに滑り込む。


ドアの窓に、疲れた顔が映っている。


スマホを取り出して、メモ帳を開いた。

いつもなら、真っ先に才能屋の住所を確かめる。

今日は、そこを見なかった。


吉田の言葉の下の、空白の行。

田嶋課長の言葉を打ちかけて、消した。


書いたところで、何になる。


今度の土曜。

行くのか、行かないのか。

決められないまま、画面を閉じた。


電車が、暗い街を走っていく。

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