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才能屋  作者: ハル
2章 才能屋との巡り会い
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口に出した本音

「高峰さま。今日、契約が必要な理由を、うかがってもよいですか」


「……理由」


「はい。話したくなければ、構いません」


少し迷ってから、口を開いた。


「上司に、取ってくると言ってしまったんです。毎週木曜に、どこへ行っているのかと、問い詰められて」


「それで」


「……それだけじゃ、ないんですけど」


手を、膝の上で握りしめていた。


「この仕事を選んだのは、周りを見返したかったからで」


「はい」


「親にも言われたんです。お前には無理だ、帰ってこい、って」


言ってから、自分で驚いた。

口にしたのは、初めてだった。


「トップになって、見返すつもりでした。……なのに、契約は、片手で数えるほどしか取れていません」


白井は、うなずいた。


「契約を取ることでしか、俺には、この会社にいる意味がないんです」


言葉にした瞬間、声が震えた。


白井は、答えを言わなかった。

「そうですか」と、一言だけ。


契約は、まだ取れていない。

それなのに、立ち上がる足が、すぐには動かなかった。

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