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才能屋  作者: ハル
2章 才能屋との巡り会い
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ただ一つ、引っかかること

会社に戻る電車の中、カケルはふと疑問に思った。


——才能屋って、本当にあったのか?


古いビル。

見えにくい表札。

誰もいないフロア。


白井という男は、確かにそこにいた。

でも、何かが現実離れしていた。


まるで、夢の中の出来事のような。


いや、それとも——


——俺が、見たいものを見ただけなのか?


スマホを取り出して、メモ帳を開く。

そこには、確かに才能屋の住所が記録されていた。


「……気のせいじゃない」


自分に言い聞かせるようにつぶやいた。


でも、心のどこかで、まだ疑っている自分がいた。


——次、行ったとき、本当にまたあの場所はあるんだろうか。


不安と期待が、混ざり合っていた。

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