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才能屋  作者: ハル
2章 才能屋との巡り会い
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「誰かに認められたい」のか、「自分を認めたい」のか

「才能屋は、才能を"与える"場所ではありません」


白井は、静かに続ける。


「あなたが"なぜ才能を求めているのか"。

その根っこにある"本当の問い"を、一緒に探る場所です」


「本当の問い……」


「そうです。たとえば、こんな問いです」


白井は、目をまっすぐカケルに向けた。


「あなたは、"誰かに認められたい"のか。

それとも、"自分を認めたい"のか。

どちらだと思いますか?」


——ドクン。


心臓が大きく跳ねた。


「……わかりません」


「わからなくて、構いません」


白井は、一枚の紙を取り出した。


「もしよろしければ、次回また来ていただけますか?

その際に、いくつか質問をさせていただきます。

答えの正しさは問題ではありません。

大事なのは、"なぜその答えが浮かんだか"という、あなたの内面の動きです」


カケルは、しばらく黙っていた。


——この人は、何を見ているんだろう。


でも、不思議と怖くはなかった。

むしろ、少しだけ、"見てもらいたい"と思っている自分がいた。


「……来週、行けるかどうか、約束はできませんけど」


「構いません。来られるときに、いらしてください」


白井は、初めて少しだけ、口角を上げた。

笑顔というには控えめすぎるが、それでも温かみがあった。


「では、次回は来週の木曜、同じ時間でお待ちしています」


「……はい」


カケルは、うなずいていた。

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