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才能屋  作者: ハル
2章 才能屋との巡り会い
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はじめまして、才能屋です

ドアの奥から現れたのは、白いシャツに黒いベストを重ねた男だった。

30代前半くらいだろうか。清潔感のあるたたずまいに、どこか浮世離れした静けさをまとっていた。


「ようこそ。お待ちしておりました。……高峰さまですね」


声が、電話のときとまったく同じだった。


温度も抑揚も最小限なのに、なぜか、耳に心地いい。


「こちらへどうぞ」


誘導されるままに、応接室のような部屋に案内される。

中には、シンプルな木のテーブルと椅子が二脚。壁には一枚の絵もかかっていない。


白井と名乗った男は、静かに席に座った。


「改めまして、才能屋にご来訪ありがとうございます」


カケルも、促されるまま椅子に座る。


「私は"才能診断士"という立場で、ご相談をお受けしております」


「才能診断士……?」


「はい。お客様の"今はまだ言語化されていない能力"を、一緒に探るお手伝いをしています」


白井は一切笑わずに答える。

営業トークではない。本気でそう信じていることが、言葉の端々から伝わる。


カケルは思わず見入っていた。


この人は——うそをついていない。

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