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才能屋  作者: ハル
2章 才能屋との巡り会い
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木曜日、才能屋へ

木曜の昼過ぎ。

田嶋課長に「午後から外回りに行ってきます」と告げると、意外にもあっさりOKが出た。


「お前が自分からアポ取ったなんて珍しいな。まあ、行ってこい」


電車を乗り継ぎ、住所に向かって歩く。


地図アプリを頼りにたどり着いたのは、意外にも落ち着いた住宅街の一角だった。

目の前にあったのは、グレーの壁に囲まれた小さなビル。


古い。

窓ガラスには薄くほこりが積もっているように見える。

本当にここか?と疑うようなたたずまいだった。


建物の入口付近に、小さな表札があった。

光の加減で見えたり見えなかったりする。


目を凝らすと、そこには小さくこう書かれていた。


「才能屋」


そこに確かに、存在していた。


あの電話が幻じゃなかったことが、ようやく実感として胸に落ちてきた。


インターホンを押す。

指先がわずかに震えた。


——カチッ。


しばらくして、扉の奥から足音が近づいてきた。


そして、静かにドアが開く。

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