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才能屋  作者: ハル
2章 才能屋との巡り会い
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訪問前夜

水曜の夜、帰宅してすぐにシャワーを浴びた。

部屋の明かりはつけたまま。珍しくスーツにアイロンをかける。


何を着て行こうか、ではなく、「どんな顔で会えばいいのか」が分からなかった。


これまで営業先には、すべて"演じた自分"で行っていた。

自信があるふり、余裕があるふり、相手を知っているふり。


でも今回は、どんな自分で行けばいいのか、見当がつかなかった。


ベッドに入っても、眠りは浅かった。

耳の奥に、あの声が残っていた。


夢の中で誰かにこう言われた気がする。


「あなたが一番最初になくしたもの、それが"才能"です」

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